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アファチニブによる腎障害

2023年8月掲載

薬剤 アファチニブ腫瘍用薬
副作用 腎障害
概要 87歳、女性。1ヵ月前から進行する労作時呼吸困難で前医を受診、左胸水貯留を指摘されて当科に転院した。精査にて左上葉肺腺癌と診断した。1次治療としてオシメルチニブを開始したが心機能障害で毒性中止し、2次治療としてアファチニブを開始した。開始8ヵ月後に血清Creが急上昇し(1.41→2.55 mg/dL)、尿検査や画像所見から腎前性・腎後性は否定され、腎性急性腎障害と診断した。尿円柱や潜血など、糸球体疾患・尿細管障害を支持する所見は認めなかった。アファチニブの休薬に伴い血清Creは改善し(2.55→1.13 mg/dL)、経過からアファチニブによる薬剤性腎障害と診断した。

監修者コメント

チロシンキナーゼ阻害薬であるアファチニブは、EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌の治療薬として用いられている。本症例はアファチニブの投与により薬剤性腎障害を来した1例である。頻度は低いものの、本薬剤により薬剤性腎障害を発症する可能性があるため、投与中は血清クレアチニン値などの定期的な経過観察が必要である。

著者(発表者)
伊藤雅弘ほか
所属施設名
神戸市立医療センター中央市民病院呼吸器内科ほか
表題(演題)
Afatinibによる薬剤性腎障害の1例
雑誌名(学会名)
第117回 日本肺癌学会関西支部学術集会プログラム・抄録集 59 (2023)
第117回 日本肺癌学会関西支部学術集会(2023.2.18)

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