ヨードホルムによる意識障害
2023年6月掲載
薬剤 | ヨードホルム外皮用薬 |
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副作用 | 意識障害 |
概要 | 【症例1】84歳、女性。2020年4月上旬に前医で臀部低温熱傷と診断。デブリードマンおよび植皮が必要と判断され、4月下旬に当院転院となった。入院16日目よりヨードホルムガーゼ(約0.55 g/日)の充填を1日1回行ったところ、入院25日目頃より意識レベルが低下し傾眠傾向となった。検査では甲状腺機能異常を認めた。ヨードホルムガーゼによる中毒症状を疑い、同薬を中止した。ブロメライン軟膏およびスルファジアジン銀クリームを主にした外用に変更したところ、徐々に意識状態は改善し、中止後1週間程度で会話可能になった。中止前後で、尿中総ヨウ素値は249,500 μg/Lから15,080 μg/Lに減少した。 【症例2】88歳、女性。2020年7月中旬に前医で右下腿皮膚潰瘍に対する皮膚切開術が施行され、8月中旬に植皮目的で当院を紹介受診した。当院受診約2週間前よりヨードホルムガーゼ(約0.33 g/日)を使用しており、受診数日前より意識障害を来していた。検査では甲状腺機能異常を認めた。ヨードホルムガーゼを中止し、アルプロスタジルアルファデクス軟膏を主にした外用に変更したところ、徐々に意識状態は改善し2週間程度で食事全量摂取可能となった。中止前後で、尿中総ヨウ素値は113,400 μg/Lから324 μg/Lに減少した。 |
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ヨードホルムガーゼは皮膚潰瘍などの治療において、殺菌や消毒の目的で使用されている。本文献では、ヨードホルムガーゼにより意識障害をきたした2症例を報告している。ヨードホルムガーゼは非常に使用しやすい薬剤であり、日常診療において広く使用されている。使用中に意識障害などが生じた場合は、本薬剤の副作用を考慮し、中止を検討することが重要である。
- 著者(発表者)
- 南圭人ほか
- 所属施設名
- 山梨厚生病院皮膚科ほか
- 表題(演題)
- ヨードホルムガーゼにより意識障害をきたした2例
- 雑誌名(学会名)
- 皮膚科の臨床 65(2) 222-226 (2023)
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