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アセトアミノフェンによる過敏性血管炎

2014年3月掲載

薬剤 アセトアミノフェン中枢神経用薬
副作用 過敏性血管炎
概要 60歳、男性。感冒症状、関節痛に対してアセトアミノフェン、アスピリンを投与されたが、関節痛が増悪し、両下腿に紫斑が出現した。他院を受診し、レボフロキサシン、ジクロフェナクを処方されたが、改善せず、当科紹介入院となった。前医処方薬を中止したところ紫斑は消褪したが、残存する関節痛にアセトアミノフェンを投与したところ紫斑が再出現した。皮膚生検で白血球破砕性血管炎を認め、投与中止後に症状は改善した。

監修者コメント

アセトアミノフェンは比較的副作用が少ない解熱鎮痛剤であり、世界中で頻用されている。本文献ではアセトアミノフェンによる稀な副作用として過敏性血管炎が報告されている。過敏性血管炎は外来性抗原が引き起こすⅢ型アレルギーが病態に関与していると考えられ、紫斑や白血球破砕性血管炎などを特徴としている。過敏性血管炎の原因薬剤としてNSAIDsや抗生剤の報告が多く、アセトアミノフェンは稀である。本症例では偶然のチャレンジテストで診断できたが、アセトアミノフェンによる安易な対症療法には注意する必要がある。

著者(発表者)
芝原友也ほか
所属施設名
製鉄記念八幡病院呼吸器科ほか
表題(演題)
アセトアミノフェンによる過敏性血管炎の1例
雑誌名(学会名)
日本内科学会雑誌 103(1) 152-154 (2014.1)

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