レンバチニブによるネフローゼ症候群
2023年1月掲載
薬剤 | レンバチニブ腫瘍用薬 |
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副作用 | ネフローゼ症候群 |
概要 | 74歳、男性。X年2月に胸腺摘除+無名静脈合併切除術を施行し、胸腺癌と診断した。X+1年9月のCTで局所再発と左胸水貯留を認めた。胸腺癌の術後再発に対し、X+1年11月よりレンバチニブ24mg/日を開始した。投与開始3週後から蛋白尿が出現し、食思不振などで10mgまで減量していたが、投与開始24週後にはGrade3の蛋白尿と著明な下腿浮腫を認め、休薬した。血清Alb 2.2g/dLでありネフローゼ症候群の診断基準を満たした。休薬後に尿蛋白は減少し、ネフローゼ症候群は軽快した。 |
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マルチキナーゼ阻害薬であるレンバチニブは切除不能な肝細胞癌や胸腺癌などの治療薬として用いられている。本症例は、レンバチニブ投与により薬剤性ネフローゼ症候群を呈した胸腺癌の1例である。本薬剤の添付文書にも重大な副作用として腎障害が記載されている。稀ではあるが、本薬剤により薬剤性ネフローゼ症候群を発症する可能性があるため、投与中は尿検査や血液検査などにより経過観察を行うことが重要である。
- 著者(発表者)
- 岩崎史ほか
- 所属施設名
- 東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座呼吸器内科学分野
- 表題(演題)
- レンバチニブにより薬剤性ネフローゼ症候群を呈した胸腺癌の一例
- 雑誌名(学会名)
- 第115回 日本呼吸器学会東北地方会/第145回日本結核・非結核性抗酸菌症学会東北支部学会講演プログラム・抄録集(Web) 19 (2022)
第115回 日本呼吸器学会東北地方会 第145回 日本結核・非結核性抗酸菌症学会東北支部学会(2022.9.10)
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