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デュピルマブによる好酸球性肺炎

2023年1月掲載

薬剤 デュピルマブアレルギー用薬
副作用 好酸球性肺炎
概要 【症例1】37歳、女性。鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎合併重症喘息症例。高用量ICS/LABA+を使用しても、喘息症状および鼻症状により短期的プレドニゾロン(PSL)使用を繰り返していた。デュピルマブ(Dup)開始後は自覚症状および増悪が明らかに減少した。しかし投与後5ヵ月後に発熱、乾性咳嗽、息切れ出現。末梢血好酸球著増と胸部CTで浸潤影を認め、肺生検で好酸球性肺炎と診断した。PSL30mg開始により、速やかに改善を認めた。
【症例2】40歳、女性。慢性副鼻腔炎合併喘息症例。通常治療でも鼻症状コントロールがつかず、PSL5mg/日で維持治療されていた。Dup開始後は自覚・他覚症状で明らかに改善を認め、PSLを減量・中止した。開始後3ヵ月に著明な好酸球増多と全身倦怠感、息切れを認め、胸部CTで浸潤影を認め、肺生検で好酸球性肺炎と診断した。PSL治療により速やかに改善を認めた。

監修者コメント

ヒト型抗ヒトIL-4/13受容体モノクローナル抗体であるデュピルマブはアトピー性皮膚炎、気管支喘息、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎の治療薬として用いられている。本文献では、デュピルマブ投与後に好酸球性肺炎を発症した2症例を報告している。本薬剤の投与中に咳嗽や息切れなどの呼吸器症状を認めた際には、稀ではあるが好酸球性肺炎も考慮し、適切な処置を行う必要がある。

著者(発表者)
小屋俊之ほか
所属施設名
新潟大学大学院医歯学総合研究科呼吸器感染症内科学分野ほか
表題(演題)
Dupilumab使用後に好酸球性肺炎を来した2例
雑誌名(学会名)
アレルギー 71(6-7) 803 (2022)
第71回 日本アレルギー学会学術大会(2022.10.7-9)

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