オルメサルタンメドキソミルによる乾癬型薬疹
2022年11月掲載
薬剤 | オルメサルタンメドキソミル循環器官用剤 |
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副作用 | 乾癬型薬疹 |
概要 | 83歳、男性。1991年尋常性乾癬を発症し、近医でステロイド外用を開始した。2009年頃より光線療法を併用したが、コントロール不良であったため2011年当科受診した。シクロスポリン内服による加療を行っていたが、高血圧症が出現したため、2017年2月よりオルメサルタンメドキソミルの内服を開始した。2017年7月にシクロスポリン内服を中止し、アプレミラスト内服に変更した。しばらく落ち着いていたものの2018年11月、皮疹が増悪しPASI40.1の紅皮症となった。採血では好酸球が上昇し、病理組織像では表皮真皮境界部に液状変性がみられ、真皮内に好酸球が散見された。以上からオルメサルタンメドキソミルによる乾癬型薬疹と診断した。診断後、オルメサルタンメドキソミル内服を中止し、ステロイド外用を強化したところ、内服中止から6週間後にはPASIクリアを達成した。なお、オルメサルタンメドキソミルの薬剤リンパ球刺激試験は陰性であった。 |
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アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬であるオルメサルタンメドキソミルは、高血圧症の治療薬として広く使用されている。本症例は、乾癬患者に生じたオルメサルタンメドキソミルによる乾癬型薬疹の1例である。乾癬型薬疹はさまざまな薬剤によって引き起こされるが、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬による乾癬型薬疹は稀である。アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬は日常診療において広く使用されており、投与中に皮疹を認めた際には、稀ではあるが乾癬型薬疹も念頭に置くべきである。
- 著者(発表者)
- 望月俊彦ほか
- 所属施設名
- 聖マリアンナ医科大学皮膚科
- 表題(演題)
- 薬疹・薬物障害 オルメサルタンメドキソミルによる乾癬型薬疹の1例
- 雑誌名(学会名)
- 皮膚科の臨床 64(7) 1199-1202 (2022)
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