ブリモニジン酒石酸塩による角膜混濁
2022年11月掲載
薬剤 | ブリモニジン酒石酸塩感覚器官用薬 |
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副作用 | 角膜混濁 |
概要 | 73歳、女性。2016年12月に両眼の開放隅角緑内障と診断され、近医でタフルプロスト点眼、ブリモニジン酒石酸塩(以下、ブリモニジン)点眼、ドライアイに対してヒアルロン酸ナトリウム点眼を処方されていた。2020年10月に右角膜混濁に気づき、当院を紹介され受診した。初診時、両眼の結膜充血と結膜濾胞を認めた。また、右角膜周辺部に血管侵入を伴う扇形の角膜実質混濁を認めた。血液検査で結核および梅毒の感染はいずれも否定され、前房水の網羅的PCR検査では単純ヘルペスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルスを含む全項目が陰性であった。ブリモニジンによる角膜混濁の既報と所見が類似していたことからブリモニジンによるアレルギー性結膜炎を疑って点眼を中止し、ベタメタゾン点眼を開始した。ブリモニジン中止後、両眼の結膜充血と結膜濾胞は改善したが、角膜実質混濁は残存した。 |
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ブリモニジン点眼液は、アドレナリンα2受容体刺激薬に分類される緑内障治療薬である。本症例は、両眼の開放隅角緑内障に対して投与されたブリモニジンにより角膜混濁を来した1例である。これまでにもブリモニジン点眼液の使用中に角膜混濁をきたした症例が複数報告されており、2019年6月には添付文書への記載が追加されている。角膜実質混濁は残存するため、本薬剤の使用中に角膜混濁を疑う所見を認めた際には、早期に点眼中止を検討すべきである。
- 著者(発表者)
- 宮久保朋子ほか
- 所属施設名
- 群馬大学大学院医学系研究科眼科学教室
- 表題(演題)
- 第75回日本臨床眼科学会講演集[5] ブリモニジンによる角膜混濁が疑われた1例
- 雑誌名(学会名)
- 臨床眼科 76(7) 921-925 (2022)
第75回 日本臨床眼科学会
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