ラコサミドによる気分高揚、脳波異常
2022年10月掲載
薬剤 | ラコサミド中枢神経用薬 |
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副作用 | 気分高揚、脳波異常 |
概要 | 6歳、女児。日中覚醒時に突然物音を立てて倒れる発作を1ヵ月に3回起こした。脳波は覚醒時異常無かったが入眠時に両側性2.5-3Hzの棘徐波複合1-2秒を認めた。ラコサミド(LCM)を1.25mg/kg/dayから開始し、2.5mg/kg/day時点で短時間視線が合わないエピソードが1回目撃されて以降は明らかな発作無く、4週間で5mg/kg/dayまで増量し維持した。副作用としての軽度の眠気は一過性であったが、些細なことで過剰に笑い出すなど気分高揚が開始後からみられ持続した。動作停止・反応不良・ピクつきの有無につき注意深い観察を家族に指示したが認められなかった。4週間後に施行した覚醒時脳波で基礎波の徐波化と両側性棘徐波複合の半連続的出現がみられた。非けいれん性てんかん重積近似の状態と判断しLCMからバルプロ酸に切り替えたところ、気分高揚と脳波異常は速やかに改善した。 |
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LCMはNaチャネルを緩徐に不活性化するという新しい機序の抗てんかん薬である。本症例は、LCMの投与により気分高揚や脳波異常を認めた女児の1例である。LCMの副作用として、傾眠、めまい、興奮などが報告されているが、脳波増悪を伴う精神症状の報告はなく、稀な1例といえる。Naチャネル阻害作用を有する従来の抗てんかん薬に比べてLCMは副作用が少ないとされているが、本症例のように脳波異常を伴う精神神経症状が起こりうるため、注意が必要である。
- 著者(発表者)
- 布施譲嗣ほか
- 所属施設名
- 草加市立病院小児科
- 表題(演題)
- ラコサミドで脳波増悪と精神症状を認めた1例
- 雑誌名(学会名)
- 脳と発達 54(S) S325 (2022)
第64回 日本小児神経学会学術集会(2022.6.2-7.4)
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