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ヒドロキシクロロキンによるスウィート症候群

2022年8月掲載

薬剤 ヒドロキシクロロキンその他の代謝性医薬品
副作用 スウィート症候群
概要 30歳代、女性。X-16年にシェーグレン症候群と診断され、以降、再発性の環状紅斑や発熱、耳下腺腫脹に対し近医にてステロイド治療が行われていた。X年、皮膚症状再燃のため当院を紹介受診し、ヒドロキシクロロキン(以下HCQ)が開始された。1ヵ月後、発熱、右耳下腺腫脹、口唇腫脹、口内炎、背部の膿疱性皮疹が出現。好中球増加、CRP上昇を認めた。皮膚生検において、真皮に多核白血球を主とした細胞浸潤が認められスウィート症候群と診断された。HCQ中止後、プレドニゾロンを開始し皮疹は速やかに改善した。以後コルヒチンを併用しながらプレドニゾロンを漸減し、1ヵ月後にHCQが再開されたが、皮疹の再燃なく経過している。

監修者コメント

免疫調整剤であるHCQの投与によりスウィート症候群を発症したシェーグレン症候群の1例である。スウィート症候群は全身性の炎症症状とともに皮膚に出現する疼痛隆起性紅斑や結節を特徴としており、悪性疾患、自己免疫疾患、感染症、薬剤など様々な疾患と関連がある。HCQによるスウィート症候群の報告は稀であるが、投与中に全身性の炎症症状とともに疼痛隆起性紅斑や結節などを認めた際には、本合併症も考慮する必要がある。

著者(発表者)
南留美ほか
所属施設名
独立行政法人国立病院機構九州医療センター
表題(演題)
経過中にスウィート症候群を合併したシェーグレン症候群の一例
雑誌名(学会名)
第66回 日本リウマチ学会総会・学術集会プログラム・抄録集 693 (2022)
第66回 日本リウマチ学会総会・学術集会(2022.4.25-5.31)

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