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ロモソズマブによる顎骨壊死

2022年5月掲載

薬剤 ロモソズマブその他の代謝性医薬品
副作用 顎骨壊死
概要 76歳、女性。2021年2月、右下5冠が動揺し、脱離していた冠を近医で除去した。翌日右頬部腫脹が出現して当科を受診した。右頬部腫脹と同部皮膚発赤、自発痛、切歯間開口域5mmの強度開口障害、右下5残根周囲歯肉腫脹が認められ、CT画像にて右下65周囲の骨梁消失が認められた。橈骨骨折後、当院整形外科で2020年3月からロモソズマブの投与を受けていた。
ロモソズマブ中断後、抗菌薬の投与と洗浄による消炎を2ヵ月続けたのち、浮動状になった右下5残根を抜歯すると治癒に向かい、以後経過良好である。

監修者コメント

ロモソズマブは抗スクレロスチンモノクローナル抗体であり、骨形成促進と骨吸収抑制を合わせ持つ新規の骨粗鬆症治療薬である。本症例は、ロモソズマブの投与後に顎骨壊死を発症した1例である。本薬剤による顎骨壊死の報告はこれまでになく、稀であるが、他の骨粗鬆症治療薬と同様に注意すべき副作用である。

著者(発表者)
濱田傑ほか
所属施設名
近畿大学病院歯科口腔外科ほか
表題(演題)
新規骨粗鬆薬ロモソズマブに関連した顎骨壊死の1例
雑誌名(学会名)
第52回 日本口腔外科学会近畿支部学術集会 プログラム・抄録集(Web) 37 (2021)
第52回 日本口腔外科学会近畿支部学術集会(2021.7.3)

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