ベンラファキシンによる低Na血症、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群
2022年5月掲載
薬剤 | ベンラファキシン中枢神経用薬 |
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副作用 | 低Na血症、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群 |
概要 | 79歳、女性。X-1年に他院で身体症状症と診断され、抗うつ薬投与も改善せず、身体的愁訴・睡眠障害に加え希死念慮等の抑うつ状態が悪化したことから、X年3月当院に任意入院。ベンラファキシン(VFX)37.5mg/日投与で開始したところ低Na血症をきたし、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)の診断となった。同薬剤中止およびNa補正により低Na血症は改善した。休薬後、ミルタザピンにて治療を再開し継続投与中であるが、SIADHの再燃はなく徐々に改善しつつある。 |
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VFXは、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬に分類される抗うつ薬である。本症例は、VFX投与後に急激な低Na血症をきたし、薬剤性SIADHと診断された1例である。添付文書にも重大な副作用としてSIADHが記載されている。VFXによるSIADHは稀であるが、投与中は血清Na濃度にも注意する必要がある。
- 著者(発表者)
- 藤田慎二郎ほか
- 所属施設名
- 兵庫医科大学附属病院
- 表題(演題)
- ベンラファキシン投与後急激な低Na血症をきたし、薬剤性SIADHと診断された一例
- 雑誌名(学会名)
- 第128回 近畿精神神経学会 プログラム集・抄録集 36 (2021)
第128回 近畿精神神経学会(2021.7.31)
監修者コメント