カルボプラチンによる尿細管間質性腎炎
2022年4月掲載
薬剤 | カルボプラチン腫瘍用薬 |
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副作用 | 尿細管間質性腎炎 |
概要 | 69歳、女性。子宮体癌とS状結腸癌の重複癌に対して腹式単純子宮摘出術・両側付属器摘出術・播種病変の生検・S状結腸部分切除術を施行した。術後endometrioid carcinoma G3pT4NxM1Stage4Bの診断となり、後療法としてTC療法(パクリタキセル175mg/m2、カルボプラチンAUC6)を開始した。1コース投与後、血液検査で腎機能低下を認めたが、自覚症状は認めず、同用量で3コース追加投与した。腎機能低下傾向が持続したためパクリタキセル単剤投与に変更した。変更後も増悪傾向を認め、尿中NAG・尿中β2MGの上昇から尿細管間質性腎炎が疑われ、被疑薬を中止し腎生検を施行した。腎生検では間質の均一な線維化を60%程度認め、カルボプラチンによる尿細管間質障害として矛盾しない結果であった。プレドニゾロン20mg/day内服による治療を開始し、治療開始後eGFRは横ばいで経過している。 |
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白金製剤であるカルボプラチンは、婦人科悪性腫瘍をはじめとする様々な悪性腫瘍の治療に広く使用されている。カルボプラチンはシスプラチンと比較して腎尿細管への毒性が低く、腎障害が発生しにくいとされており、これまでにカルボプラチンによる腎障害と診断された報告は少ない。本文献ではカルボプラチンが原因と考えられる尿細管間質性腎炎の1例を報告している。本薬剤の投与中に腎機能障害を認めた場合には、尿細管間質性腎炎の可能性も考え、腎生検も含めた精査が必要である。
- 著者(発表者)
- 竹谷陽子ほか
- 所属施設名
- 総合病院土浦協同病院産婦人科
- 表題(演題)
- 子宮体がん患者におけるカルボプラチン関連尿細管間質性腎炎の一例
- 雑誌名(学会名)
- 関東連合産科婦人科学会誌 58(3) 394 (2021.10)
第142回 関東連合産科婦人科学会総会・学術集会(2021.11.20-12.10)
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