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ジフェンヒドラミンによる接触皮膚炎

2022年2月掲載

薬剤 ジフェンヒドラミン外皮用薬
副作用 接触皮膚炎
概要 77歳、女性。主訴は前額部搔痒感。皮疹を認めず、レスタミンコーワクリーム1%(ジフェンヒドラミン)を処方した。翌日、塗布部位の顔面全体に浮腫性紅斑が出現し、経過から接触皮膚炎を疑って塗布を中止した。レボセチリジン塩酸塩の服用後6日目に紅斑が消退した。患者には痒みのある紅斑が出現した化粧品や洗顔剤、顔面の湿疹が治らず長期治療した既往はあるが、詳細は不明である。本症例は、原因となる化粧品等の使用がなく、塗布翌日に紅斑が出現したためレスタミンコーワクリーム1%による接触皮膚炎が考えられた。パッチテストに対する同意が得られず、その成分、基剤、添加物等に関する原因は特定できなかった。

監修者コメント

本症例は、レスタミンコーワクリーム(ジフェンヒドラミンクリーム)1%の塗布により、接触皮膚炎を発症した1例である。本外用剤は、湿疹や痒みなどの治療において皮膚科領域のみならず、内科をはじめ他科においても広く使用されている。副作用報告例は少なく、比較的安全な外用剤であるが、本症例のように接触皮膚炎を発症することもあるため、注意が必要である。

著者(発表者)
八巻孝之
所属施設名
NHO宮城病院総合診療外科
表題(演題)
総合診療において経験した示唆に富む接触皮膚炎の1例
雑誌名(学会名)
第75回 国立病院総合医学会 プログラム・抄録集(Web) O-182 (2021)
第75回 国立病院総合医学会(2021.10.23-11.20)

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