ブレンツキシマブベドチンによる免疫性血小板減少性紫斑病
2021年9月掲載
薬剤 | ブレンツキシマブベドチン腫瘍用薬 |
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副作用 | 免疫性血小板減少性紫斑病 |
概要 | 50歳、男性。20XX-7年に右頸部リンパ節腫瘤生検によりホジキンリンパ腫病期IVAと診断した。ABVd療法により寛解を得るも半年後に再発した。miniBEAM療法と自家末梢血幹細胞移植を施行し第2寛解を得た。20XX-1年に再発し、3rdラインとしてbrentuximab vedotin(BV)を施行し第3寛解を得た。BV7コース施行後、grade4の血小板減少を認めた。諸検査・骨髄検査および網状血小板数増加から、BVによるdrug-induced immune thrombocytopenia(DITP)と診断した。プレドニゾンおよびTPO作動薬により血小板は回復した。 |
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ブレンツキシマブベドチン(BV)は、抗CD30モノクローナル抗体に微小管阻害薬のモノメチルアウリスタチンEが結合した分子標的薬であり、CD30陽性のホジキンリンパ腫や末梢性T細胞リンパ腫の治療に用いられている。本文献では、BVによる治療中に免疫性血小板減少性紫斑病(DITP)を併発したホジキンリンパ腫の1例を報告している。分子標的薬が要因となるDITPの報告はあるが、BVにより惹起された報告はなく、貴重な症例といえる。
- 著者(発表者)
- 清原千貴ほか
- 所属施設名
- 岩手医科大学内科学講座血液腫瘍内科分野
- 表題(演題)
- Brentuximab vedotinによる治療経過中に免疫性血小板減少性紫斑病を併発したホジキンリンパ腫の1例
- 雑誌名(学会名)
- 臨床血液 62(4) 322 (2021.4)
第131回 日本血液学会東北地方会(2021.2.21)
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