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ブリンゾラミドによるStevens-Johnson症候群

2021年4月掲載

薬剤 ブリンゾラミド感覚器官用薬
副作用 Stevens-Johnson症候群
概要 57歳、女性。初診4ヵ月前より両側緑内障に対しブリンゾラミド(エイゾプト®)懸濁性点眼液による加療を開始された。初診2日前より顔面および体幹の紅斑、全身倦怠感が出現した。翌日夜間に40℃の発熱を伴い急速な口腔粘膜、眼粘膜のびらんを生じたため当科を紹介受診した。臨床検査所見、病理組織学所見、DLSTの結果などから、ブリンゾラミド懸濁性点眼薬によるStevens-Johnson症候群(SJS)と診断した。ステロイドパルス療法により皮疹の拡大はなくなったが、眼症状などが増悪したため、プレドニゾロン(PSL)に加えて大量免疫グロブリン(IVIg)による治療を行った。入院8日目に誤嚥性肺炎の疑いで人工呼吸管理のうえ、メロペネムを開始した。全身状態の悪化はMSSA肺炎と菌血症、播種性血管内凝固症候群が原因と考えられた。IVIg後は徐々に皮疹等は改善傾向を認め、PSLを漸減し、入院60日目に軽快退院した。眼症状は眼球癒着と偽膜形成を認めたが、退院時には軽快し、睫毛の乱生のみを認めている。

監修者コメント

ブリンゾラミドは、炭酸脱水素酵素阻害薬であり、緑内障患者の眼圧低下に使用されている。本文献では、ブリンゾラミド懸濁性点眼液の投与により、SJSを発症した1例を報告している。SJSは、しばしば集学的治療を必要とする重症薬疹である。多くは抗てんかん薬などの内服薬が原因となるが、本症例のような点眼薬が原因となることは非常に稀といえる。薬剤投与後に重症薬疹を発症した際には、稀ではあるが点眼薬も被疑薬として考慮し、被疑薬を中止の上、皮膚科医と連携しながら適切な治療を行うことが重要である。

著者(発表者)
竹本朱美ほか
所属施設名
徳山中央病院皮膚科ほか
表題(演題)
薬疹・薬物障害 皮疹回復期に薬剤リンパ球刺激試験が陽性となったブリンゾラミド懸濁性点眼液によるStevens-Johnson症候群の1例
雑誌名(学会名)
皮膚科の臨床 62(12) 1643-1646 (2020.11)

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