メコバラミンによる腎障害
2021年2月掲載
薬剤 | メコバラミンビタミン剤 |
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副作用 | 腎障害 |
概要 | 77歳、女性。肺血栓塞栓症の既往があり、近医で抗凝固薬を投薬されていた。X年6月に腎機能障害が出現し、7月、8月と進行して当科紹介、入院となった。入院時、尿細管障害マーカーの上昇を認めた他は特記すべき血清学的所見、尿所見を欠いた。間質性腎炎を含めた薬剤性腎障害を考慮し被疑薬を中止したところ、尿細管障害マーカーが低下傾向に転じた。尿細管障害を来す全身疾患の所見に乏しく、腎機能障害及び改善の時間経過の合致した被疑薬に関しDLSTを実施した。メコバラミンが陽性であり、本剤による薬剤性腎障害が疑われた。血清Crは改善し、第21病日に退院となった。 |
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メコバラミン製剤はビタミンB12の1種であり、末梢神経障害などの治療に用いられている。本症例は、経口メコバラミン製剤による薬剤性腎障害が疑われた1例であるが、同薬剤による薬剤性腎障害は過去に報告がない。内因性の生理活性物質であるビタミンB12が原因とは考えにくく、副成分が原因となった可能性が考えられる。
- 著者(発表者)
- 廣瀬友里佳ほか
- 所属施設名
- 東京医科歯科大学腎臓内科
- 表題(演題)
- 経口メコバラミン製剤による薬剤性腎障害が疑われた一例
- 雑誌名(学会名)
- The Japanese Journal of Nephrology : 日本腎臓学会誌(e-journal) 62(6) 547 (2020)
第50回 日本腎臓学会東部学術大会(2020.9.26-27)
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