ドキシサイクリンによる薬剤誘発性ループス
2020年12月掲載
薬剤 | ドキシサイクリン抗生物質製剤 |
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副作用 | 薬剤誘発性ループス |
概要 | 71歳、男性。腹膜透析中で非結核性抗酸菌の出口部感染に対し、当科受診2ヵ月前より抗生剤治療を行っていた。多剤併用していたが難治のため、抗生剤変更で当科受診32日前にドキシサイクリンを内服開始し、当科受診4日前に顔面に紅斑が出現した。初診時、鼻部から両頬部にかけた蝶形紅斑様の皮疹であった。抗核抗体は40倍(均質型)、抗dsDNA抗体は陰性。病理組織検査では表皮真皮境界部の空胞変性が目立ち、付属器周囲にリンパ球主体の炎症細胞浸潤が見られた。ループスバンドテストは陽性であった。薬剤誘発性ループスを考え、ドキシサイクリンの内服を中止したところ、2週間後には紅斑は完全に消失した。 |
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ドキシサイクリンは広範囲抗生物質であり、マイコプラズマをはじめ、ブドウ球菌や大腸菌など、グラム陽性菌およびグラム陰性菌に強い抗菌力を示す。一般的な副作用は、嘔吐、下痢などの消化器症状や発疹、蕁麻疹などの皮膚障害である。本症例のような薬剤誘発性ループスは稀であるが、本薬剤の投与中に顔面の紅斑などを認めた場合には、薬剤誘発性ループスの可能性も考慮し、適切な処置を行うことが重要である。
- 著者(発表者)
- 上原遥ほか
- 所属施設名
- 琉球大
- 表題(演題)
- ドキシサイクリンによる薬剤誘発性ループスの1例
- 雑誌名(学会名)
- 日本皮膚科学会 第90回 沖縄地方会 プログラム 4 (2020)
第90回 日本皮膚科学会沖縄地方会(2020.8.1)
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