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グセルクマブによるケラトアカントーマ

2020年12月掲載

薬剤 グセルクマブその他の代謝性医薬品
副作用 ケラトアカントーマ
概要 64歳、男性。尋常性乾癬に対し、近医にて外用療法や免疫抑制剤による内服療法が実施されていた。初診3ヵ月前頃より手指のこわばりや左肩の疼痛が出現し、乾癬性関節炎が疑われたため紹介受診となった。乾癬性関節炎の診断となり、アダリムマブ(ヒュミラ)の投与を開始した。その後約2年間、計33回の投与を施行したが抗核抗体が上昇したため、グセルクマブ(トレムフィア)の投与に変更した。
グセルクマブの2度目の投与後より左下腿内側に瘙痒を伴う小結節が出現し、3度目の投与時には1cm大へと増大した。皮膚悪性腫瘍などを疑い全摘出術を施行した。病理組織学的所見では錯角化を伴う角栓様過角化がみられ、それを取り囲むようにケラチノサイトの増殖を認め、ケラトアカントーマと診断した。切除後2ヵ月よりグセルクマブの投与を再開したが、その後2ヵ月間ケラトアカントーマを含め皮膚腫瘍の再発・新生は認めていない。

監修者コメント

グセルクマブはヒト型抗ヒトIL-23p19モノクローナル抗体製剤であり、尋常性乾癬や乾癬性関節炎などの治療薬として用いられている。本文献では、乾癬性関節炎に対して投与したグセルクマブにより発症したケラトアカントーマの1例を報告している。ケラトアカントーマは、皮膚良性腫瘍に分類されているが、有棘細胞癌との鑑別が難しい場合がある。本薬剤の投与後にケラトアカントーマが発生したという報告はこれまでになく、貴重な症例といえる。

著者(発表者)
園村真美ほか
所属施設名
大阪医大
表題(演題)
乾癬性関節炎に対するグセルクマブ(トレムフィア)投与開始後に生じたケラトアカントーマの1例
雑誌名(学会名)
第35回 日本乾癬学会学術大会 プログラム・抄録集 210 (2020)
第35回 日本乾癬学会学術大会(2020.9.12-13)

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