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メチマゾールによる両側唾液腺炎

2020年2月掲載

薬剤 メチマゾール(チアマゾール)ホルモン剤(抗ホルモン剤を含む)
副作用 両側唾液腺炎
概要 67歳、女性。バセドウ病(自律機能性甲状腺結節合併もしくは偽腫瘍の疑い)と診断され、メチマゾール15 mgの内服を開始した。開始4日目に咽頭痛を自覚し、13日目から強い倦怠感、15日目からは両側顎下部腫脹を来した。白血球(5500/µL)は正常だったものの、CRP 3.38 mg/dL、Amy 514 U/Lと上昇を認め、メチマゾールによる両側顎下腺および耳下腺の腫脹が疑われた。メチマゾール休薬とアセトアミノフェン内服を開始したが、倦怠感が強く、翌日からヨウ化カリウム50 mg内服も開始した。その後は発熱もなく倦怠感も徐々に消退し、唾液腺腫脹の改善を認めた。

監修者コメント

抗甲状腺剤であるメチマゾールは、バセドウ病などの甲状腺機能亢進症の治療に用いられている。本症例は、バセドウ病に対して投与されたメチマゾールにより両側唾液腺炎を発症した一例である。同薬剤による唾液腺腫脹や唾液腺炎は極めて稀であり、貴重な症例といえる。

著者(発表者)
橋田哲ほか
所属施設名
渋川中央病院内科ほか
表題(演題)
メチマゾールにより両側唾液腺炎を来したバセドウ病の1例
雑誌名(学会名)
第62回 日本甲状腺学会学術集会 プログラム・抄録集 95 (2019)
第62回 日本甲状腺学会学術集会 (2019.10.10-12)

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