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レボホリナートカルシウムによるアレルギー

2013年12月掲載

薬剤 レボホリナートカルシウムその他の代謝性医薬品
副作用 アレルギー
概要 40歳、女性。S状結腸癌に対しS状結腸切除術を施行。術後補助化学療法としてFOLFOX4を選択し、オキサリプラチン、レボホリナートカルシウムの同時投与を開始した。投与20分後に全身の膨疹、掻痒感、気分不快が出現し、すべての薬剤の投与を中止した。葉酸製剤でのアレルギーは稀と判断し、オキサリプラチンを除いたRPMI法に変更した。レボホリナートカルシウムの投与を開始10分後に前回と同様、全身の膨疹、掻痒感、気分不快のアレルギー反応が出現した。再度、ステロイド、抗ヒスタミン薬を投与し、症状は軽減した。レボホリナートカルシウムのアレルギーと考え、同剤とオキサリプラチンのリンパ球幼若化試験を実施したところ、レボホリナートカルシウムのみ陽性となった。

監修者コメント

レボホリナートカルシウム製剤(アイソボリン®)はFOLFOX療法のレジメンに含まれており、大腸癌に対する化学療法に使用されている。本症例ではS状結腸癌に対する術後補助化学療法としてFOLFOX4による治療が行われたところ、全身の膨疹、掻痒感、気分不快が出現した。当初はオキサリプラチンによるアレルギー反応と考え、レボホリナートを含む別のレジメンに変更したが改善なく、最終的にリンパ球幼若化試験にてレボホリナートによるアレルギー症状であることが判明した。レボホリナートによるアレルギー反応はきわめて稀であり、特にFOLFOX療法などではオキサリプラチンによるアレルギー反応が考えられやすい状況であるが、本薬剤の副作用にも十分に注意する必要がある。

著者(発表者)
宮下耕一郎ほか
所属施設名
昭和大学横浜市北部病院内科
表題(演題)
レボホリナートカルシウムでアレルギーを呈した大腸癌術後補助化学療法の1例
雑誌名(学会名)
日本癌治療学会誌 48(3) 2313 (2013.9)
第51回 日本癌治療学会学術集会 (2013.10.24-26)

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