ペムブロリズマブによるGuillain-Barre症候群、Stevens-Johnson症候群、中毒性表皮壊死症
2019年12月掲載
薬剤 | ペムブロリズマブ腫瘍用薬 |
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副作用 | Guillain-Barre症候群、Stevens-Johnson症候群、中毒性表皮壊死症 |
概要 | 76歳、男性。右下葉肺腺癌(stage IV)の二次治療として、ペムブロリズマブを開始したが、day 18に顔面筋力低下が出現した。髄液検査で蛋白細胞解離を認め、自己免疫関連有害事象としてのGuillain-Barre症候群としてステロイドパルスを施行した。経過中、全身に紅斑・びらんを認めたため皮膚生検を行い、Stevens-Johnson症候群/中毒性表皮壊死症オーバーラップの診断となった。大量免疫グロブリン投与で症状の改善を得たが、誤嚥性肺炎を併発し永眠された。ペムブロリズマブの最良効果はPRであった。 |
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免疫チェックポイント阻害剤は、悪性黒色腫や肺癌などさまざまな癌種に対して有効性が認められている一方で、副作用として免疫関連有害事象(immune-related adverse events: irAE)が問題となっている。本症例では、肺腺癌に対して免疫チェックポイント阻害剤であるペムブロリズマブを投与したところ、重度のGuillain-Barre症候群およびStevens-Johnson症候群/中毒性表皮壊死症オーバーラップを発症した。いずれも重篤な有害事象であるが、これらを同時に発症した症例は稀であり、今後のirAEに対する対策を検討する上でも貴重な症例といえる。
- 著者(発表者)
- 茂松梨咲ほか
- 所属施設名
- 東京都済生会中央病院呼吸器内科ほか
- 表題(演題)
- ペムブロリズマブによるGuillain-Barre症候群とStevens-Johnson症候群/中毒性表皮壊死症オーバーラップを発症した一例
- 雑誌名(学会名)
- 第185回 日本肺癌学会関東支部学術集会 プログラム・抄録集 29 (2019)
第185回 日本肺癌学会関東支部学術集会 (2019.7.6)
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