メトトレキサートによるリンパ腫様肉芽腫症
2013年12月掲載
薬剤 | メトトレキサートその他の代謝性医薬品 |
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副作用 | リンパ腫様肉芽腫症 |
概要 | 73歳、女性。関節リウマチに対して20年前からプレドニゾロンを内服しており、当院受診14ヵ月前からメトトレキサート(MTX)の内服を開始した。腹痛を主訴に当院を受診した際の胸部CTで両肺の多発性結節を指摘された。経気管支肺生検、CTガイド下肺生検、エコーガイド下肝生検を施行するも診断に至らなかった。胸腔鏡化肺生検を施行し、リンパ腫様肉芽腫症の診断に至り、MTXの中止で経過をみたところ陰影は速やかに消失した。 |
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葉酸代謝拮抗薬であるメトトレキサート(MTX:リウマトレックス®)は、慢性関節リウマチ(RA)に対する第一選択薬として使用されているが、副作用としてリンパ増殖性疾患を発症することがあり、MTX関連リンパ増殖性疾患(MTX-LPD)として知られている。本症例ではMTX内服中のRA患者において両肺野に多発結節影を認め、 MTX-LPDの中でも稀とされるリンパ腫様肉芽腫症と診断された。内服中止のみで病変の縮小消失傾向を認めたことからも、MTX-LPDであると考えられる。MTXを内服している患者は年々増加しており、リンパ腫様肉芽腫症に対しても十分な認知が必要である。
- 著者(発表者)
- 尾形朋之ほか
- 所属施設名
- JAとりで総合医療センター呼吸器内科ほか
- 表題(演題)
- メトトレキサート関連リンパ腫様肉芽腫症の1例
- 雑誌名(学会名)
- 肺癌 (electric) 53(3) 234-239 (2013.9)
第166回 日本肺癌学会関東支部会
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