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ペムブロリズマブによる脳炎

2019年9月掲載

薬剤 ペムブロリズマブ腫瘍用薬
副作用 脳炎
概要 72歳、男性。肺多型癌と診断され術後化学療法施行4コース施行したが、早期に再発した。ペムブロリズマブ治療を開始し、第7病日に意識障害(グレード3)と構音障害を認めたため頭部MRI検査を行ったが、脳梗塞の所見は認められず、翌日の髄液検査でも、細胞分画はリンパ球優位、細胞診で悪性細胞は認めなかった。しかし、薬剤性脳炎を否定しきれず、ステロイドの治療を開始したところ、意識レベルの改善を認めたため、ペムブロリズマブによる薬剤性脳炎と診断した。

監修者コメント

免疫チェックポイント阻害剤は免疫抑制系を阻害することで抗腫瘍効果を示すが、免疫系の賦活化を通じ、様々な臓器で特徴的な有害事象を引き起こすことが報告されている。本症例は、免疫チェックポイント阻害剤であるペムブロリズマブの投与により薬剤性脳炎を発症した1例である。本薬剤による脳炎は非常に稀であるが、予後不良となる症例も多いため、投与中は慎重に経過観察を行う必要がある。

著者(発表者)
落合亮介ほか
所属施設名
帝京大学医学部付属病院腫瘍内科
表題(演題)
Pembrolizumab治療によって薬剤性脳炎をきたした1例
雑誌名(学会名)
第184回 日本肺癌学会関東支部学術集会 プログラム・抄録集 14 (2019)
第184回 日本肺癌学会関東支部学術集会 (2019.3.9)

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