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シダトレン®によるバセドウ病再燃

2019年3月掲載

薬剤 シダトレンアレルギー用薬
副作用 バセドウ病再燃
概要 17歳、男児。13歳でバセドウ病と診断され、チアマゾールを30 mg/日で開始し、以後5 mg/日で継続していた。その間、甲状腺機能は正常化し、抗TSH受容体抗体(TRAb)も20.4 IU/Lから5.5 IU/Lまで低下していた。17歳時、スギ花粉症に対してシダトレン®の併用を開始したところ、甲状腺機能は徐々に悪化傾向となり、TSH 0.001μ IU/mL、f-T3 5.56 pg/mL、f-T4 1.52 ng/dL、TRAb 8.9 IU/L、T-chol 124 mg/dLとなった。シダトレン®によるバセドウ病再燃が疑われ、シダトレン®を中止し、現在経過を観察している。

監修者コメント

シダトレン®はスギ花粉症の減感作療法(アレルゲン免疫療法)に使用されている。本症例は、バセドウ病患児の維持療法中にスギ花粉症に対するシダトレン®による減感作療法を行なったところ、バセドウ病が再燃した稀な一例である。花粉症の増加に伴い、今後はバセドウ病患者が減感作療法を受ける機会が増えることが予想され、その際には甲状腺機能についても十分な経過観察を行う必要がある。

著者(発表者)
古池雄治
所属施設名
茨城大学教育学部教育保健教室ほか
表題(演題)
スギ花粉症に対するアレルゲン免疫療法(シダトレン®)の併用によりバセドウ病が再燃した1例
雑誌名(学会名)
第52回 日本小児内分泌学会学術集会 プログラム・抄録集 206 (2018)
第52回 日本小児内分泌学会学術集会 (2018.10.4-6)

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