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テルミサルタン・ヒドロクロロチアジドによる光線過敏型薬疹

2013年10月掲載

薬剤 テルミサルタン・ヒドロクロロチアジド循環器官用剤
副作用 光線過敏型薬疹
概要 62歳、女性。高血圧に対してテルミサルタン・ヒドロクロロチアジド合剤の内服を開始した。2ヵ月目頃から顔面、両手背にそう痒感を伴う紅斑が出現し、当科を受診した。抗ヒスタミン薬の内服、外用ステロイド治療で改善を認めなかった。皮疹出現部位が日光裸露部であることから、テルミサルタン・ヒドロクロロチアジド合剤による光線過敏型薬疹を疑い、薬剤をアンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬に変更したところ、速やかに皮疹は改善した。確定診断のため内服中と中止後に光線照射試験を実施した結果から、テルミサルタン・ヒドロクロロチアジド合剤による光線過敏型薬疹と診断した。

監修者コメント

近年、アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)に少量のサイアザイド系利尿薬を併用することで降圧効果に関して相乗効果が認められ、ARBとヒドロクロロチアジドの合剤であるプレミネント®やエカード®などが広く使用されるようになった。ヒドロクロロチアジドによる光線過敏症は以前から報告されており、これらの合剤による光線過敏型薬疹が報告されている。今後もARB・ヒドロクロロチアジド合剤の使用頻度の増加に伴い、副作用である光線過敏型薬疹も増加することが予想され、注意が必要である。

著者(発表者)
林圭ほか
所属施設名
旭川医科大学病院皮膚科
表題(演題)
テルミサルタン・ヒドロクロロチアジドによる光線過敏型薬疹の1例
雑誌名(学会名)
臨床皮膚科 55(8) 1070-1071 (2013.8)

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