ムンプスワクチンによる無菌性髄膜炎
2018年10月掲載
薬剤 | ムンプスワクチン生物学的製剤 |
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副作用 | 無菌性髄膜炎 |
概要 | 25歳、男性。入院2日前より発熱と頭痛が出現し、当科を受診した。血液検査でWBC 5,500/µL、CRP 0.03 mg/dLと炎症反応は認めなかったが、40℃台の高熱が続きjolt accentuationが陽性であったことから入院となった。 入院後の髄液検査にて、蛋白84 mg/dL、糖50 mg/dL、単核球341、多角球4と単核球優位の細胞数増多を認め、無菌性髄膜炎が疑われた。ヘルペス脳炎の可能性も考慮し、アシクロビル500 mg×3回/日の投与を開始した。その後徐々に解熱し、頭痛も改善、第12病日に退院となった。 入院後に、ムンプスワクチン接種を3週間前にしていたことがわかり、髄液のウィルス遺伝子検査を施行、ワクチン株(鳥居株)が特定されたため、ムンプスワクチン株による無菌性髄膜炎と診断された。 |
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ムンプスワクチン接種後に発症した無菌性髄膜の一例である。ワクチンの添付文書にも重大な副反応として無菌性髄膜炎が記載されている。ムンプスワクチンによる無菌性髄膜炎は稀であるが、起こりうる副作用である。接種後は十分な経過観察を行い、異常が認められた場合には迅速な対応を行う必要がある。
- 著者(発表者)
- 井之口舜亮ほか
- 所属施設名
- 紀南病院内科
- 表題(演題)
- ムンプスワクチン接種後に発症した無菌性髄膜炎の1例
- 雑誌名(学会名)
- 第220回 日本内科学会近畿地方会 56 (2018)
第220回 日本内科学会近畿地方会 (2018.6.16)
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