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エスフルルビプロフェン・ハッカ油による出血性胃潰瘍

2018年3月掲載

薬剤 エスフルルビプロフェン・ハッカ油外皮用薬
副作用 出血性胃潰瘍
概要 70歳代、女性。転倒した際に膝・肩を強打し、変形性関節症に対し処方されていたエスフルルビプロフェン・ハッカ油(ロコア®テープ)を同時に5枚(1日では合計8枚)貼付した。第2病日に疼痛は改善したものの心窩部痛が出現したため、第3病日に救急外来受診した。ランソプラゾール・ドンペリドンが処方され、以後継続となった。第11病日再診時に貧血進行があったものの検査は希望されず、第13病日に吐血し救急搬送となった。緊急上部消化管内視鏡検査において胃体下部小弯に出血性胃潰瘍が認められ、入院となった。経過より経皮吸収型消炎鎮痛剤の多量貼付により誘発されたNSAIDs潰瘍が強く疑われた。

監修者コメント

エスフルルビプロフェン・ハッカ油(ロコア®テープ)は、変形性関節症に適応がある経皮吸収型消炎鎮痛剤で、2枚貼付時の全身曝露量がフルルビプロフェン通常用量内服と同程度であるため、最大使用量が1日2枚までとされている。本症例では、1日に合計8枚と大量に貼付したため、NSAIDs潰瘍が誘発されたと考えられた。貼付剤による出血性胃潰瘍は稀であるが、指定された用量を超えて使用することのないように注意すべきである。

著者(発表者)
佐藤毅昂ほか
所属施設名
JA新潟厚生連上越総合病院
表題(演題)
経皮吸収型消炎鎮痛剤の多量貼付後に出血性胃潰瘍を来した1例
雑誌名(学会名)
第141回 日本内科学会信越地方会 26 (2017)
第141回 日本内科学会信越地方会 (2017.10.9)

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