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デノスマブ中止後の多発腰椎体骨折

2018年3月掲載

薬剤 デノスマブその他の代謝性医薬品
副作用 多発腰椎体骨折
概要 50歳、女性。骨塩量低下に対して選択性エストロゲン受容体修飾剤で治療していたが、骨塩量の増加を認めなかったため、デノスマブによる治療を行った。同剤を18ヵ月、計3回投与を行い、骨塩量は腰椎で12.3%、大腿骨頸部で8.6%増加した。4回目の投与を患者自身の意思で中止していたところ、投与予定日から約3ヵ月後、誘因なく激しい腰背部痛を訴え当院受診した。X線では第1腰椎に軽度の圧迫骨折を、MRIでは第1、4、5腰椎に新鮮椎体骨折を認めきた。腰椎軟性コルセットを作成し、テリパラチド連日製剤の投与を開始したところ、約3ヵ月で腰背部痛も軽減し、XRでも椎体の圧壊進行は認めていない。

監修者コメント

抗RANKLモノクローナル抗体製剤であるデノスマブは骨粗鬆症の治療薬として注目されている。本薬剤を中止した後に多発性椎体骨折が生じることは海外で既に報告されており、添付文書にも重大な副作用として「治療中止後の多発性椎体骨折」が記載されている。本薬剤を使用する際には、骨折のリスクがあることを説明し、自己判断による投薬中止をしないように指導することが重要である。

著者(発表者)
橋本三四郎ほか
所属施設名
医療法人清香会南新宿整形外科リハビリテーションクリニックほか
表題(演題)
デノスマブ中止後に多発腰椎体骨折をきたした症例
雑誌名(学会名)
日本骨粗鬆症学会雑誌 3(S-1) 272 (2017.9)
第19回 日本骨粗鬆症学会 (2017.10.20-22)

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