ランレオチドによる急性胃拡張、門脈ガス血症
2018年1月掲載
薬剤 | ランレオチドホルモン剤(抗ホルモン剤を含む) |
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副作用 | 急性胃拡張、門脈ガス血症 |
概要 | 26歳、男性。GH/PRL産生下垂体腺腫に対し手術が施行されたが、病変が残存し、術後の血液検査もPRL 54 ng/mL、IGF-1 362 ng/mLとコントロール不良であったため、カベルゴリン0.25 mg/週、ランレオチド90 mg/4週を開始した。開始後、毎回1週間程度軽度の下痢や腹痛を認めていたが、X-3日から水様性下痢と腹痛に加え、意識混濁もきたし、救急搬送された。腹部単純写真で著名な胃拡張を、腹部CTで門脈内と胃静脈内にガスを認めたが、腹水や造影不良域など腸管虚血を示唆する所見は認めなかった。入院後は輸液のみで保存的加療し改善、翌日の腹部CTでは胃拡張と門脈ガスは消失していた。 ランレオチドの副作用の可能性が高いため、オクトレオチドを2週間連日投与し副作用がないことを確認後、オクトレオチドLAR 20 mg/月に変更した。一時的に軽度の腹部違和感や軟便は認めたものの、その後は問題なく経過している。 |
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ソマトスタチンアナログであるランレオチドは、先端巨大症・下垂体性巨人症や膵・消化管神経内分泌腫瘍などの治療薬として用いられている。ランレオチドの副作用として、腹痛や下痢などの消化器症状は報告されているが、本症例のように急性胃拡張や門脈ガス血症を呈し、意識混濁を起こすほど重篤なものは稀であり、示唆に富む1例といえる。
- 著者(発表者)
- 長尾敏彦ほか
- 所属施設名
- 国立病院機構九州医療センター 代謝内分泌内科・臨床研究センター
- 表題(演題)
- ランレオチドによる治療中に一過性の急性胃拡張および門脈ガス血症を来したGH/PRL産生下垂体腺腫の一例
- 雑誌名(学会名)
- 第17回 日本内分泌学会九州支部学術集会 プログラム・抄録集 44 (2017)
第17回 日本内分泌学会九州支部学術集会 (2017.9.2)
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