アムロジピンベシル酸塩による乾癬型薬疹
2017年10月掲載
薬剤 | アムロジピンベシル酸塩循環器官用剤 |
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副作用 | 乾癬型薬疹 |
概要 | 76歳、女性。高血圧に対し8年前よりアムロジピンベシル酸塩内服が開始され、4年前よりオルメサルタンメドキソミル内服が追加された。4ヵ月前より皮疹が出現し、抗アレルギー薬、ステロイド外用剤を処方されたが改善なく、当科受診となった。初診時、体幹・四肢に角化性紅斑が散在し、表皮には錯角化があり、表皮突起の延長を伴い肥厚し、角層下にはMunroの微小膿瘍を認め、真皮表皮境界部では液状変性が見られた。薬剤リンパ球刺激試験ではアムロジピンベシル酸塩、オルメサルタンメドキソミルともに陰性であったが、貼付試験を行ったところアムロジピンベシル酸塩貼付部位に紅斑を認めた。オルメサルタンメドキソミルと白色ワセリンでは陰性であった。以上よりアムロジピンベシル酸塩による乾癬型薬疹と診断した。 |
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カルシウム拮抗薬であるアムロジピンベシル酸塩は、日常診療において降圧薬として広く用いられている。本症例では、高血圧に対してアムロジピンベシル酸塩を内服していたところ、体幹・四肢に角化性紅斑を認め、貼付試験により乾癬型薬疹と診断されている。乾癬型薬疹における原因薬剤の確定には、貼付試験陽性例が少ないことから、DLSTや内服誘発試験が行われているが、本症例は貼付試験の重要性を示唆する一例と言える。
- 著者(発表者)
- 秋田亜紗美ほか
- 所属施設名
- 国際医療福祉大学熱海病院皮膚科ほか
- 表題(演題)
- アムロジピンベシル酸塩による乾癬型薬疹の1例
- 雑誌名(学会名)
- 皮膚科の臨床 59(5) 611-614 (2017.5)
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