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オマリズマブによる関節リウマチ

2013年7月掲載

薬剤 オマリズマブ呼吸器官用薬
副作用 関節リウマチ
概要 73歳、女性。難治性喘息に罹患し、JGL2009治療ステップ3でもコントロール不良であった。オマリズマブ導入2ヵ月後頃より、起床時の手指のこわばり・対称性関節腫脹などの関節リウマチを思わせる症状が出現した。血清学的検査で抗CCP抗体が陽性化しており、MMP-3も高値であった。本人がオマリズマブを注射するたびに関節症状が増悪し、次回の注射の直前に症状が和らぐことを自覚していたため、導入5ヵ月でオマリズマブを中止した。その後、緩徐にではあるがリウマチ症状は改善してきている。

監修者コメント

難治性喘息患者の新たな治療薬として注目されているオマリズマブであるが、その作用メカニズムが液性免疫に影響することから、自己免疫疾患の発症のリスクが以前から指摘されている。本症例ではオマリズマブ導入後に起床時の手指のこわばりやCCP抗体陽性、MMP-3高値を認め、同薬剤を中止した後から症状が改善したことから、オマリズマブ投与が関節リウマチを誘発したと考えられた。著者はオマリズマブによる自己免疫疾患の報告は稀ではあるが、無視できない副作用として本抗体を投与する時は注意が必要としている。

著者(発表者)
岡田有希ほか
所属施設名
同愛記念病院アレルギー呼吸器科ほか
表題(演題)
抗IgE抗体により誘発されたと考えられた関節リウマチの1例
雑誌名(学会名)
アレルギー 62(3-4) 403 (2013.4)
第25回 日本アレルギー学会春季臨床大会 (2013.5.11-12)

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