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ゾルピデムによる眼瞼攣縮、下肢静止不能症候群

2017年4月掲載

薬剤 ゾルピデム中枢神経用薬
副作用 眼瞼攣縮、下肢静止不能症候群
概要 48歳、女性。不眠症の既往歴があり、入眠困難に対しゾルピデム5 mg/日を服用していた。約3週間後から瞬目が多発、両下肢の異常感覚も自覚するようになった。下肢の異常感覚は脚を動かすことで消失していたが、いずれの症状も次第に悪化したため、1週間後に当科を受診した。
神経学的所見では、眼瞼攣縮(Jankovic分類 重症度2、頻度3)と下肢静止不能症候群(RLS)が認められ、血液検査では異常所見は検出されなかった。ゾルピデム休薬後、7日以内に無症状となった。

監修者コメント

ゾルピデム(マイスリー®)は、不眠症の治療薬として日常診療において広く使用されている。本症例では、入眠困難に対してゾルピデムを内服したところ、約3週間後から眼瞼攣縮とRLSによる両下肢の異常感覚を認めた。眼瞼攣縮や二次性RLSの原因薬剤としてゾルピデムに起因したという報告はなく、むしろ同剤が眼瞼攣縮やRLSの治療に有効という報告もある。ゾルピデムにより眼瞼攣縮とRLSが併発した症例は極めて稀であり、貴重な報告といえる。

著者(発表者)
津田浩昌ほか
所属施設名
東京都保健医療公社豊島病院神経内科
表題(演題)
ゾルピデムにより眼瞼攣縮・下肢静止不能症候群が同時に誘発された一例
雑誌名(学会名)
神経眼科 33(増補1) 74 (2016.10)
第54回 日本神経眼科学会総会 (2016.11.25-26)

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