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BCGワクチンによる骨髄炎

2017年2月掲載

薬剤 BCG生物学的製剤
副作用 骨髄炎
概要 BCG骨髄炎と診断し外来管理を行った10例を検討した。BCGワクチン接種時期は生後3.5ヵ月(中央値)で、発症までの期間は14ヵ月(中央値)、うち8例は男児であった。罹患部位は大腿骨(4例)、上腕骨(2例)、尺骨(1例)、脛骨(1例)、胸椎(1例)、下顎骨や肋骨など多発病変(1例)で、右側に多く発症していた(6例)。全例で抗結核薬の投与、3例で外科的掻爬術を行い、うち2例は現在も治療中である。長期予後は、経過観察期間(2年6ヵ月~7年5ヵ月)において、下肢長差4例および関節拘縮4例(うち2例は重複)であった。

監修者コメント

BCGはウシ型の結核菌を弱毒化して作製された生菌ワクチンであるが、重大な副作用として骨炎・骨髄炎が報告されている。近年、BCG接種後に骨髄炎を発症した症例が増加しているため、BCGの接種時期が見直され、生後6か月未満から生後1歳未満までに引き上げられた。BCGによる骨髄炎の発症は稀であるが、罹患すると治療期間は長く、後遺症を残す症例も多くみられるため、十分な注意が必要である。

著者(発表者)
曽根田京子ほか
所属施設名
東京都立小児総合医療センター総合診療科ほか
表題(演題)
BCG骨髄炎の長期予後についての検討
雑誌名(学会名)
第48回 日本小児感染症学会総会・学術集会 プログラム・抄録集 264 (2016)
第48回 日本小児感染症学会総会・学術集会 (2016.11.19-20)

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