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エストロゲンによる膀胱子宮内膜症

2016年10月掲載

薬剤 エチニルエストラジオールホルモン剤(抗ホルモン剤を含む)
副作用 膀胱子宮内膜症
概要 73歳、男性。前立腺癌に対して前立腺全摘術を施行し、術後LHRH agonist + エチニルエストラジオールによる内分泌療法を導入し、経過は良好であった。その後、腎機能の悪化、軽度の左水腎症、肉眼的血尿を認め、膀胱鏡検査にて左尿管口直上に乳頭状腫瘍を認めた。病理診断は膀胱子宮内膜症であった。エチニルエストラジオールを中止したところ、半年後には腫瘍の著明な縮小を認めた。

監修者コメント

本症例は、前立腺癌に対する長期エストロゲン投与中に発症した膀胱子宮内膜症の1例であり、男性での発症は非常に稀である。過去に男性における膀胱子宮内膜症の報告が数例あるが、いずれも前立腺癌の内分泌療法に続発したものである。本症例についても、男性にもかかわらず膀胱に子宮内膜症様の組織が発生したのは、長期の女性ホルモン投与が主な原因であると考えられる。

著者(発表者)
田口慧ほか
所属施設名
東京大学医学部附属病院泌尿器科ほか
表題(演題)
前立腺癌の長期エストロゲン投与中に生じた膀胱子宮内膜症の1例
雑誌名(学会名)
泌尿器外科 29(6) 1055 (2016.6)
第607回 日本泌尿器科学会東京地方会 (2011.12.8)

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