ラロキシフェン塩酸塩による上肢深部静脈血栓症
2016年8月掲載
薬剤 | ラロキシフェン塩酸塩その他の代謝性医薬品 |
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副作用 | 上肢深部静脈血栓症 |
概要 | 70歳代、女性。閉経後骨粗鬆症の診断にてラロキシフェン塩酸塩が内服されていた。臥位にて頚部に軽度違和感を自覚。その後、左上肢全体に腫脹が出現し、左顔面にも浮腫を自覚するようになり、当科を受診した。ラロキシフェン塩酸塩による左上肢深部静脈血栓症が疑われ、入院加療となった。ラロキシフェン塩酸塩の即時中止と抗凝固療法及び血栓溶解療法を施行した。血栓は残存するものの上肢腫脹は改善したため、経過良好にて第15病日に退院した。 |
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ラロキシフェン塩酸塩(エビスタ®)は第二世代のSERM(Selective Estrogen Receptor Modulator)に分類される閉経後骨粗鬆症治療薬である。添付文書にも重大な副作用として深部静脈血栓症が記載されているが、一般的には上肢深部静脈血栓症は下肢に比べて発生頻度が少ない。本症例のようなラロキシフェン塩酸塩の内服による上肢深部静脈血栓症の発症は稀であり、興味深い一例といえる。
- 著者(発表者)
- 寺西ふみ子ほか
- 所属施設名
- 八尾市立病院中央検査部ほか
- 表題(演題)
- 骨粗鬆症治療薬(ラロキシフェン塩酸塩)内服中に発症した上肢深部静脈血栓症の一例
- 雑誌名(学会名)
- 超音波医学 43(S) 89-血 P-007 (2016.4)
第89回 日本超音波医学会 (2016.5.27-29)
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