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トリアムシノロンアセトニドによるクッシング症候群

2016年7月掲載

薬剤 トリアムシノロンアセトニドホルモン剤(抗ホルモン剤を含む)
副作用 クッシング症候群
概要 64歳、男性。糖尿病と診断され、血糖降下薬が投与されていた。運転中の追突事故により頸椎症と診断され、トリアムシノロンアセトニドを関節腔内に4回注射された。その後、急激な体重増加と顔が丸くなったことを指摘され、階段を上がることがしんどくなった。急激な血糖コントロール悪化を主訴に当科精査入院となった。満月様顔貌、中心性肥満があり、医原性クッシング症候群と診断した。全身倦怠感があり、ヒドロコルチゾンを投与し、退院となった。外来ではヒドロコルチゾンを漸減中止し、退院後9ヵ月でほぼ満月様顔貌も改善した。

監修者コメント

ステロイドの関節腔内注射は広く使用されているが、クッシング症候群まできたす症例は稀であり、興味深い一例といえる。本症例はトリアムシノロンアセトニドを週1回の間隔で計4回関節腔内に注射したが、添付文書による関節腔内注射の用法・用量では、原則として投与間隔を2週間以上としており、適正に使用されなかったことも今回の副作用の一因と考えられた。

著者(発表者)
吉岡修子ほか
所属施設名
公立陶生病院
表題(演題)
ステロイド関節腔内注射によりクッシング症候群を来した1例
雑誌名(学会名)
日本内分泌学会雑誌 92(1) 315 (2016.4)
第89回 日本内分泌学会学術総会 (2016.4.21-23)

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