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トリメトプリム・スルファメトキサゾール(ST合剤)による光線過敏型薬疹

2016年6月掲載

薬剤 トリメトプリム・スルファメトキサゾール化学療法剤
副作用 光線過敏型薬疹
概要 74歳、女性。化膿性骨髄炎に対してリファンピシン、ST合剤の内服を開始した。その後、顔面、両前腕など露光部を中心に紅斑が出現したため、光線過敏症を疑い両剤の投与を中止した。体幹、上肢にも多形紅斑様皮疹が多発したため、入院の上、プレドニゾロン内服投与を行い、徐々に軽快した。内服中止2週間後に長波長紫外線に対する光線過敏を認めたが、中止3ヵ月後には回復し、以後再燃はない。

監修者コメント

ST合剤は抗菌スペクトラムが広く、血中濃度が長期間持続し、臓器移行性が良いため、尿路感染症や慢性呼吸器感染症の他、免疫低下患者の日和見感染予防などに用いられている。本症例では、ST合剤内服後に露光部を中心に紅班が出現し、光パッチテストなどの結果から本薬剤による光線過敏型薬疹と診断された。日光曝露が多い外来患者に対してST合剤が投与される機会は多く、本薬剤の副作用として光線過敏型薬疹を発症する可能性があることに注意する必要がある。

著者(発表者)
髙山恵律子ほか
所属施設名
高槻病院皮膚科
表題(演題)
ST合剤による光線過敏型薬疹と考えられた1例
雑誌名(学会名)
皮膚科の臨床 58(3) 371-375 (2016.3)

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