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アダリムマブによる水疱性類天疱瘡

2016年6月掲載

薬剤 アダリムマブその他の代謝性医薬品
副作用 水疱性類天疱瘡
概要 75歳、女性。関節リウマチに対してアダリムマブ、タクロリムス併用にて疾患活動性は安定していた。両下肢に水疱が出現し受診。両下肢に緊満性水疱が多発しており、皮膚生検で基底部直下に水疱形成、好酸球を含む炎症細胞浸潤を認めた。水疱性類天疱瘡の診断で入院加療。プレドニゾロン開始により水疱は徐々に改善したが、関節痛が増強したためトファシチニブを導入。その後、RAコントロール良好となり、現在皮疹の出現もなく経過良好である。

監修者コメント

ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤であるアダリムマブ(ヒュミラ®)は炎症性腸疾患や関節リウマチの治療などに使用されている生物学的製剤である。本症例では、関節リウマチに対してアダリムマブを投与したところ、水泡性類天疱瘡を発症した。水疱性類天疱瘡は表皮基底膜部抗原に対する自己抗体の関与により、表皮下水疱を生じる自己免疫性水疱症である。稀ではあるが、本薬剤の投与中に水泡性類天疱瘡を発症する可能性があることに注意する必要がある。

著者(発表者)
山下美鈴ほか
所属施設名
倉敷スイートホスピタルリウマチセンター内科ほか
表題(演題)
関節リウマチに対してアダリムマブ治療中に水疱性類天疱瘡を発症した1例
雑誌名(学会名)
第60回 日本リウマチ学会総会・学術集会 プログラム・抄録集 511 (2016)
第60回 日本リウマチ学会総会・学術集会 (2016.4.21-23)

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