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インフルエンザワクチンによる川崎病

2016年5月掲載

薬剤 インフルエンザワクチン生物学的製剤
副作用 川崎病
概要 2歳、女児。インフルエンザワクチン2回目接種8日後に発熱が出現した。その後、眼球結膜充血、口唇紅潮が出現したため川崎病の疑いで当科に紹介された。発熱、両側眼球結膜充血、右頚部リンパ節腫脹、口唇紅潮、体幹の紅斑、手掌紅斑・浮腫および検査所見から川崎病と診断した。γグロブリン大量静注療法、アスピリン内服を開始し、速やかに臨床・検査所見は改善した。冠動脈病変は認めなかった。

監修者コメント

川崎病の原因はいまだ不明であるが、感染や環境因子などを要因とした免疫系の活性化が関与していると考えられている。インフルエンザワクチンは様々なタイプの血管炎を引き起こすことが報告されており、ワクチン接種後の免疫系の活性化による自己免疫反応の惹起が原因の1つとして考えられている。本症例においても、インフルエンザワクチン接種による免疫系の活性化が川崎病の発症と関連している可能性が考えられた。稀ではあるが、ワクチン接種後に川崎病を発症する可能性があるため、注意が必要である。

著者(発表者)
渡辺徹ほか
所属施設名
新潟市民病院小児科
表題(演題)
インフルエンザワクチン接種後に発症した川崎病の1例
雑誌名(学会名)
日本小児科学会雑誌 120(2) 403 (2016.2)
第119回 日本小児科学会学術集会 (2016.5.13-15)

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