ミノサイクリン塩酸塩による薬剤誘発性ループス
2016年3月掲載
薬剤 | ミノサイクリン塩酸塩抗生物質製剤 |
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副作用 | 薬剤誘発性ループス |
概要 | 18歳、女性。16歳より尋常性ざ瘡に対してミノサイクリン塩酸塩(MINO)を内服していた。発熱、手指の関節痛を自覚し、近医で抗DNA抗体高値を指摘され、膠原病を疑われ当科へ紹介となった。入院1ヵ月前からMINOの内服を自己中断していた。初診時、抗核抗体640倍、抗ds-DNA抗体20.1IU/mLと高値であり、肝逸脱酵素上昇を認め、精査のため入院した。入院時、発熱、関節痛は改善していたことから、MINOによる薬剤誘発性ループスと診断した。その後も発熱、関節痛の再燃はなく、抗ds-DNA抗体は3ヵ月後に陰性化した。また、肝逸脱酵素も正常化した。 |
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本症例は約2年間のMINO長期投与後に発熱、関節痛や抗ds-DNA抗体上昇などの全身性エリテマトーデス(SLE)を疑う所見を認め、MINOによる薬剤誘発性ループス(DIL)と診断されている。DILは種々の薬剤により引き起こされるが、MINOによるものは比較的稀である。MINOは若年者を中心にざ瘡の治療などに広く使用されており、本症例のように内服開始後数年を経てDILを発症する症例もあるため注意が必要である。
- 著者(発表者)
- 花井俊一朗ほか
- 所属施設名
- 自治医科大学附属病院アレルギー・リウマチ科
- 表題(演題)
- 尋常性ざ瘡に対する長期ミノサイクリン内服により発症した薬剤誘発性ループスの1例
- 雑誌名(学会名)
- アレルギー 64(9) 1269-1273 (2015.11)
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