一般財団法人 国際医学情報センター 信頼できる医学・薬学・医療情報を適切に提供することによって健康社会に貢献します。

一般財団法人 国際医学情報センター

IMICライブラリ IMIC Library

ホームIMICライブラリMMWR抄訳2025年(Vol.74)商業的に流通する生乳に関連したSalmonella・・・

MMWR抄訳

rss

2025/07/24Vol. 74 / No. 27

MMWR74(27):433-438
Outbreak of Salmonella Typhimurium Infections Linked to Commercially Distributed Raw Milk — California and Four Other States, September 2023–March 2024

商業的に流通する生乳に関連したSalmonella Typhimurium感染症のアウトブレイク ― カリフォルニア州および他の4州、2023年9月~2024年3月

低温殺菌処理していない(生)牛乳は大腸菌(Escherichia coli)、ブルセラ菌(Brucella)、カンピロバクター(Campylobacter)、クリプトスポリジウム(Cryptosporidium)、サルモネラ菌(Salmonella)などの細菌による食中毒のアウトブレイクに関連する。カリフォルニア州では州食品農業局(CDFA)により規制されており、生乳を生産する酪農場は許可証の取得と衛生検査の合格が義務付けられている。家畜は毎年、ブルセラ症と結核の検査を受け、生乳は厳格な細菌および細胞数の制限を満たし、7.2℃以下にて保管される。小売店で販売する場合は病原菌による汚染の可能性を警告する表示ラベルが必要である。2023年10月18日、サンディエゴ郡保健福祉局は2023年9月21日~10月12日に発症した8例のサルモネラ症を州の公衆衛生局(CDPH)に報告した。これらの患者はブランドAの生乳を摂取していた。生乳は酪農場Aにて生産され、州全域で商業的に流通していた。また、州内の別の公衆衛生局(LHD)から10月3日の発症前にブランドAの生乳を摂取したサルモネラ感染例に関する報告があり、州全体での調査が開始された。調査ではカリフォルニア州および他の4州にて計171例のサルモネラ症患者が確認され、うち159例(93%)が確定例、12例(7%)は可能性例であった[確定例:2023年9月15日~2024年5月4日に発症し、検査にて同じアウトブレイクの分離菌の全ゲノムシーケンシング(WGS)に類似するS. TyphimuriumアレルコードSALM1.0 6745.4.2.1xが確認された感染例、可能性例:確定例と同じ期間に発症し、発症の7日前までにブランドAの低温殺菌処理されていない生乳を摂取、血清型やWGSの結果はまだ未確定]。発症は2023年9月21日~2024年3月11日、140例(82%)は2023年9月および10月に発症(中央値10月11日)、また、167例(98%)はカリフォルニア州の保健管轄区域61のうち35区域から報告され、他にニューメキシコ、ペンシルベニア、テキサス、ワシントン州にて各1例報告された。患者の年齢中央値は7歳(9カ月齢~87歳)、5歳未満が67例(39%)、5~12歳が40例(23%)、13~17歳が13例(8%)であり、男性が108例(63%)、報告された136例中105例が白人であった。入院に関する報告のあった162例のうち22例が入院し、死亡例は報告されていない。生乳に関する情報は91例(53%)より入手し、うち72例(79%)が生乳製品を摂取(生乳71例、生クリーム1例)、67例(93%)はブランドAであった。2023年10月19日、CDPHとCDFAはこれらの事例について酪農場Aに通知し、酪農場、小売店、患者の自宅からブランドA製品を回収(計40点)、うち3点よりWGSにてS. Typhimuriumが検出された。これらの結果から、2023年10月24日、酪農場Aは生産を停止、生乳の自主回収を行い、10月25日に充填施設とチーズ製造工場、27日に酪農場の衛生検査が行われ、10月31日には製造が再開された。消費者に対してはリコール対象の製品を廃棄し、サルモネラ症の症状を認める場合は医療機関を受診し、また、予防のため殺菌処理された乳製品を摂取するよう推奨された。

References

  • California Department of Food and Agriculture. Regulatory requirements for distribution of milk for raw consumption in California. Sacramento, CA: California Department of Food and Agriculture; 2021. <https://www.cdfa.ca.gov/ahfss/milk_and_dairy_food_safety/pdfs/RawMilkRequirementsSummary.pdf>
  • Harris PA, Taylor R, Thielke R, Payne J, Gonzalez N, Conde JG. Research electronic data capture (REDCap)—a metadata-driven methodology and workflow process for providing translational research informatics support. J Biomed Inform 2009;42:377–81. PMID:18929686 <https://doi.org/10.1016/j.jbi.2008.08.010>
  • Harris PA, Taylor R, Minor BL, et al.; REDCap Consortium. The REDCap consortium: building an international community of software platform partners. J Biomed Inform 2019;95:103208. PMID:31078660 <https://doi.org/10.1016/j.jbi.2019.103208>
  • CDC. Foodborne Diseases Active Surveillance Network: population survey. Atlanta, GA: US Department of Health and Human Services, CDC; 2022. <https://wwwn.cdc.gov/Foodnetfast/PopSurvey>
  • Fontaine RE. Describing epidemiologic data [Chapter 6]. In: Rasmussen RA, Goodman RA, eds. The CDC field epidemiology manual. Atlanta, GA: US Department of Health and Human Services, CDC; 2024. <https://www.cdc.gov/field-epi-manual/php/chapters/describing-epi-data.html>
  • CDC. BEAM dashboard. Atlanta, GA: US Department of Health and Human Services, CDC; 2024. <https://www.cdc.gov/ncezid/dfwed/beam-dashboard.html>
  • Food and Drug Administration. Cheeses and related cheese products. Silver Spring, MD: US Department of Health and Human Services, Food and Drug Administration; 2020. <https://www.ecfr.gov/current/title-21/chapter-I/subchapter-B/part-133>
  • Akhondi H, Goldin J, Simonsen KA. Bacterial diarrhea. Treasure Island, FL: StatPearls Publishing; 2025. <https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK551643/>

ページトップへ

一般財団法人 国際医学情報センター

〒160-0016 
東京都新宿区信濃町35番地 信濃町煉瓦館
TEL:03-5361-7080 (総務課)

WEBからのお問い合わせ

財団や各種サービスについてのお問い合わせ、お見積もりのご依頼、
サービスへのお申し込みはこちらをご覧ください。

お問い合わせ