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MMWR抄訳

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2024/11/28Vol. 73 / No. 47

MMWR73(47):1076-1081
Detection of Increased Activity of Human Parvovirus B19 Using Commercial Laboratory Testing of Clinical Samples and Source Plasma Donor Pools — United States, 2024

臨床検体および原料血漿ドナープールにおける民間検査機関の検査を使用したヒトパルボウイルスB19の活性増加の検出 - アメリカ、2024年

ヒトパルボウイルスB19(B19)は主に空気感染する季節性ウイルスであり、免疫正常な人が感染した場合は通常、軽度の呼吸器疾患を生じるが、慢性溶血性血液疾患(鎌状赤血球症、サラセミア、遺伝性球状赤血球症など)がある人では一過性再生不良性貧血、血液悪性腫瘍など特定の免疫不全状態にある人では持続性再生不良性貧血を生じることがある。妊娠中のB19感染は母親から胎児へ感染し、胎児貧血、胎児水腫、流産(症例の5~10%)につながる可能性がある。B19に対するワクチンや抗ウイルス薬はない。2024年第1四半期、ヨーロッパの数カ国にてB19症例の有意な増加が認められた。アメリカでは定期的なB19サーベイランスはなく、2024年にB19活性が増加しているかを検討するため、2018年1月1日~2024年8月31日に民間検査機関に提出された臨床検体を対象に血清中のB19特異的免疫グロブリン(Ig)M抗体(直近の感染マーカー)の割合、同期間のドナープールの原料血漿に対する核酸増幅検査によるB19検出について調査した。調査期間中に359,445名の399,098件の臨床検体に対しIgM抗体検査が行われた。検体のほとんど(369,536件、92.6%)は成人から採取され、そのうち323,933件(92.6%)が女性の検体であった。各年齢層の検査率は全調査期間を通じて同等のままであり、30~34歳では平均43.0%であった。小児/青年期の検査率は15~17歳にて最も高い24%、0~2歳にて最も低い9%であり、3~14歳では14~18%であった。IgM抗体で検出したB19感染陽性は季節性の傾向を示し、2018年、2019年ともに第2四半期(4月~6月)にピークとなった(各年それぞれ小児/青年期は10.7%および15.6%、成人は2.9%および4.0%)。2020年~2022年のIgM抗体で検出したB19感染陽性率はすべての年齢層にて低値を維持したが(2%未満)、2023年後半より増加し、2024年第2四半期には小児/青年期は24.9%、成人は5.1%と2018年および2019年の同時期に比較し有意に高値であった。2024年におけるIgM抗体で検出したB19感染陽性率は、小児/青年期では6~8歳にて最も高く(第2四半期39.9%)、その次に9~11歳にて高く(第2四半期34.3%)、成人では40~49歳が最も高かった(第2四半期12.9%)。2018年~2019年に比較した2024年のIgM抗体で検出したB19感染陽性率の増加はアメリカ保健福祉省の全地域にて認め、2024年第2四半期の検査陽性率は第5地域(イリノイ州、インディアナ州、ミシガン州、ミネソタ州、オハイオ州、ウィスコンシン州)にて最も高く(11.2%)、第6地域が10.0%(アーカンソー州、ルイジアナ州、ニューメキシコ州、オクラホマ州、テキサス州)、第8地域が9.1%(コロラド州、モンタナ州、ノースダコタ州、サウスダコタ州、ユタ州、ワイオミング州)、第10地域が10.4%(アラスカ州、アイダホ州、オレゴン州、ワシントン州)と高かった。原料血漿ドナープールは調査期間中に月平均1,059±246件が検査され、閾値(1,000IU/mL)を超える検体の割合は2018年7月(6.7%)、2019年7月(7.3%)では高く、2020年~2023年に減少し(2%未満)、2024年6月には最高値となった(20%)。以上、2024年にアメリカではB19ウイルス活性が増加したと考えられ、医療従事者や公衆衛生当局による呼吸器ウイルスの予防策、B19関連有害転帰のモニタリングの強化を推進することで、妊婦やリスクの高い人における有害な健康転帰を減少させる可能性がある。

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