ホームIMICライブラリMMWR抄訳2024年(Vol.73)メディケアの65歳以上受給者および末期腎臓病の受給・・・
2024/01/11Vol. 73 / No. 1
MMWR73(1):16-23
Effectiveness of Bivalent mRNA COVID-19 Vaccines in Preventing COVID-19–Related Thromboembolic Events Among Medicare Enrollees Aged ≥65 Years and Those with End Stage Renal Disease — United States, September 2022–March 2023
COVID-19は虚血性脳卒中、静脈血栓塞栓症、心筋梗塞など血栓塞栓性イベントのリスク増加と関連しており、65歳以上の成人および透析期の末期腎不全(ESRD)患者では血栓塞栓性イベントのリスクが高い。今回、COVID-19関連血栓塞栓性イベントの予防について、2022年9月4日~2023年3月4日のメディケアの65歳以上の個別支払い型受給者および18歳以上の透析期ESRDの受給者を対象に2価mRNA COVID-19ワクチンの有効性を評価した。65歳以上の免疫正常メディケア受給者のうち、12,706,176名にCOVID-19ワクチン接種歴があり、7,022,968名は1価ワクチンのみの接種、5,683,208名が2価ワクチンの接種を受けていた。全体的に2価ワクチンの接種者は未接種者に比べ都市部居住者が多く(83% vs. 78%)、インフルエンザワクチン接種率が高く(2021-22年期:82% vs. 55%、2022-23年期:87% vs. 50%)、1価ワクチンのブースター接種率が高かった(96% vs. 73%)。18歳以上の透析期ESRDのメディケア受給者のうち、78,618名が以前にCOVID-19ワクチンを接種しており、23,229名が2価ワクチンを接種しており[18~64歳7,239名(31.2%)、65歳以上15,990名(68.8%)]、2価ワクチンの接種者は未接種者に比べ、インフルエンザワクチン接種率が高く(2021-22年期:90% vs. 82%、2022-23年期:92% vs. 79%)、1価ワクチンブースター接種率も高かった(90% vs. 74%)。COVID-19関連血栓塞栓性イベントは、免疫正常の65歳以上にて22,001/12,706,176名(0.17%)、免疫正常の18歳以上の透析期ESRD患者にて1,040/78,618名(1.32%)に発現し、免疫不全の65歳以上では7,432/2,346,581名(0.32%)、ESRD患者では365/22,391名(1.63%)に発現した。免疫正常の65歳以上、1価ワクチン接種のみ接種者では1,505,533,898人-日にて17,746件、2価ワクチン接種者では694,184,995人-日にて4,255件のCOVID-19関連血栓塞栓性イベントが確認され、2価ワクチンのCOVID-19関連血栓塞栓性イベントに対するワクチン有効性(VE)は47%、接種後7~59日では54%、接種後60日以上では42%と推定された。透析期ESRD患者では、1価ワクチンのみ接種者では10,395,534人-日にて917件、2価ワクチン接種者では2,394,731人-日にて123件が記録され、VEは51%、接種後7日~59日にて56%、60日以上では45%と推定された。また、免疫不全の65歳以上ではVEは46%、接種後7~59日にて55%、60日以上では39%、ESRD患者ではVEは45%、接種後7~59日にて60%、60日以上では30%であった。以上、COVID-19関連血栓塞栓性イベントに対する2価ワクチンの有効性は、1価ワクチンのみの接種に比べ高く、ワクチン未接種者に比べワクチン接種者にてCOVID-19関連血栓塞栓性イベント発現率が低いという報告と一致した。
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