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MMWR抄訳

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2023/07/28Vol. 72 / No. 30

MMWR72(30):821-826
Travel-Associated Dengue Cases — United States, 2010–2021

旅行に関連したデング熱症例 ― アメリカ、2010年~2021年

デング熱は世界中でアルボウイルス性疾患の主な原因となっており、適切な治療がない場合、死に至る可能性がある。アメリカの州における大半のデング熱症例はデング熱感染が流行している地域への旅行に関連している。デング熱は2010年以降、国への届出が必要な疾患となっており、各州の保健当局は、CDCのNational Arbovirus Surveillance System(ArboNET)を通じてデング熱症例をCDCに報告している。今回、2019年にアメリカの全国的サーベイランスに報告された旅行関連デング熱症例の症例数および特徴を、2010年~2018年および2020年~2021年に報告された症例と比較した。2010年~2021年、合計7,528例の旅行に関連したデング熱の確定診断症例または高度疑い症例がArboNETに報告された。このうち、2019年に発生した症例は1,474例(20%)で、2010年~2018年および2020年~2021年の年間平均550例よりも168%増加し、2番目に症例数が多かった2016年の913例よりも61%増加した。2010年~2018年および2019年のデング熱症例の死亡率は1%未満で、2020年~2021年に死亡例は認めなかった。全期間を通じて、大半の症例(90%)はアメリカの州または領土以外への旅行に関連していた。2019年の旅行関連症例が最も多く訪れた地域はカリブ海(39%)、次いでアジア(27%)、北アメリカ(14%)であり、2010年~2018年の旅行パターンも同様であったが、COVID-19パンデミックにより旅行に大きな混乱が生じた2020年~2021年では、最も多く訪れた地域は北アメリカ(30%)、次いでカリブ海(27%)、アジア(19%)であった。2019年の北アメリカまたはヨーロッパ以外の目的地への航空旅行100万件あたりのデング熱症例数(41.9例)は、2010年~2021年以外の他の年(100万件あたり21.0例)のほぼ2倍であった。デング熱発症率が世界的に増加すれば、アメリカ人旅行者のリスクもおそらく増加するであろう。臨床医はデング熱を認識し、検査および治療に備える必要があり、旅行者は蚊の刺咬やベクター媒介性疾患を予防するために、CDCのガイドラインに従う必要がある。

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