一般財団法人 国際医学情報センター 信頼できる医学・薬学・医療情報を適切に提供することによって健康社会に貢献します。

一般財団法人 国際医学情報センター

IMICライブラリ IMIC Library

ホームIMICライブラリMMWR抄訳2023年(Vol.72)C型肝炎ウイルスクリアランスカスケード ― アメリ・・・

MMWR抄訳

rss

2023/06/30Vol. 72 / No. 26

MMWR72(26):716-720
Hepatitis C Virus Clearance Cascade — United States, 2013–2022

C型肝炎ウイルスクリアランスカスケード ― アメリカ、2013年~2022年

2013年から2016年にかけて、アメリカでは約240万人の成人がC型肝炎ウイルス(HCV)に感染したと推定されている。未治療の場合、C型肝炎は進行性肝疾患、肝癌、死亡の原因となる可能性がある。アメリカのViral Hepatitis National Strategic Planでは、2030年までにC型肝炎患者の80%以上がウイルスクリアランスを達成することを求めている。全国的な根絶目標に向けた進捗状況を監視するために、検査からウイルスクリアランス、その後の感染に至るまでのステップ(クリアランスカスケード)を特徴付けることは重要である。非常に効果的C型肝炎治療法が利用可能になって以降10年間にわたる大規模な民間試験所からの長期データを使用して、CDCのガイダンスに従い簡易化された全国的な検査結果に基づくHCVクリアランスの5段階カスケードが開発された。2013年1月1日から2021年12月31日までに、合計で1,719,493人がHCVに感染していることが確認され、このうち、20~39歳、40~59歳、60歳以上はそれぞれ29%、43%、27%で、60%が男性であった。これまでに感染した1,719,493人のうち、862,905人(50%)が商業健康保険に加入していた。2013年1月1日~2022年12月31日までに、これまでに感染した人の88%がウイルス検査を受けたと分類された。ウイルス検査を受けた人のうち、69%が初感染と分類され、初感染者のうち、34%は治癒またはウイルスクリアランス(治療誘発性または自然治癒)と分類され、このうち、7%が持続感染または再感染に分類された。治癒またはウイルスクリアランス率は、20~29歳(24%)で最も低く、60歳以上(42%)で最も高かった。支払者のタイプ別では、治癒またはウイルスクリアランス率は、23%[その他(自己負担またはclient bill)]~45%(メディケア)であった。この簡易化された全国的なHCVクリアランスカスケードは、非常に効果的な直接作用型抗ウイルス薬(DAA)が利用可能になって以降10年近くにわたり、治癒において大きなギャップがあったことを特定している。疾患の進行と進行中の伝染を予防し、全国的なC型肝炎根絶目標を達成するために、C型肝炎患者に対する診断、治療、予防サービスへのアクセスを増やすことが不可欠である。

References

  • Hofmeister MG, Rosenthal EM, Barker LK, et al. Estimating prevalence of hepatitis C virus infection in the United States, 2013–2016. Hepatology 2019;69:1020–31. PMID:30398671 <https://doi.org/10.1002/hep.30297>
  • Liang TJ, Rehermann B, Seeff LB, Hoofnagle JH. Pathogenesis, natural history, treatment, and prevention of hepatitis C. Ann Intern Med 2000;132:296–305. PMID:10681285 <https://doi.org/10.7326/0003-4819-132-4-200002150-00008>
  • US Department of Health and Human Services. Viral Hepatitis National Strategic Plan for the United States: a roadmap to elimination for the United States, 2021–2025. Washington, DC: US Department of Health and Human Services; 2020. <https://www.hhs.gov/sites/default/files/Viral-Hepatitis-National-Strategic-Plan-2021-2025.pdf>
  • Montgomery MP, Sizemore L, Wingate H, et al. Development of a standardized, laboratory result-based hepatitis C virus clearance cascade for public health jurisdictions. Public Health Rep 2023. Epub May 4, 2023. PMID:37140162 <https://doi.org/10.1177/00333549231170044>
  • Ghany MG, Morgan TR; AASLD-IDSA hepatitis C guidance panel. Hepatitis C guidance 2019 update: American Association for the Study of Liver Diseases–Infectious Diseases Society of America recommendations for testing, managing, and treating hepatitis C virus infection. Hepatology 2020;71:686–721. PMID:31816111 <https://doi.org/10.1002/hep.31060>
  • Falade-Nwulia O, Suarez-Cuervo C, Nelson DR, Fried MW, Segal JB, Sulkowski MS. Oral direct-acting agent therapy for hepatitis C virus infection: a systematic review. Ann Intern Med 2017;166:637–48. PMID:28319996 <https://doi.org/10.7326/M16-2575>
  • Fleurence RL, Collins FS. A national hepatitis C elimination program in the United States: a historic opportunity. JAMA 2023;329:1251–2. PMID:36892976 <https://doi.org/10.1001/jama.2023.3692>
  • Ferrante ND, Newcomb CW, Forde KA, et al. The hepatitis C care cascade during the direct-acting antiviral era in a United States commercially insured population. Open Forum Infect Dis 2022;9:ofac445. PMID:36092829 <https://doi.org/10.1093/ofid/ofac445>
  • Thompson WW, Symum H, Sandul A, et al. Vital signs: hepatitis C treatment among insured adults—United States, 2019–2020. MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2022;71:1011–7. PMID:35951484 <https://doi.org/10.15585/mmwr.mm7132e1>

ページトップへ

一般財団法人 国際医学情報センター

〒160-0016 
東京都新宿区信濃町35番地 信濃町煉瓦館
TEL:03-5361-7080 (総務課)

WEBからのお問い合わせ

財団や各種サービスについてのお問い合わせ、お見積もりのご依頼、
サービスへのお申し込みはこちらをご覧ください。

お問い合わせ