ホームIMICライブラリMMWR抄訳2023年(Vol.72)成人におけるCOVID-19関連入院および重症化を・・・
2023/05/26Vol. 72 / No. 21
MMWR72(21):579-588
Estimates of Bivalent mRNA Vaccine Durability in Preventing COVID-19– Associated Hospitalization and Critical Illness Among Adults with and Without Immunocompromising Conditions — VISION Network, September 2022–April 2023
2022年9月1日、CDCのAdvisory Committee on Immunization Practicesは、一価mRNA COVID-19ワクチンのプライマリ接種シリーズを完了した12歳以上の人に対し、二価mRNA COVID-19ワクチンの単回ブースター接種を推奨した。18歳以上の成人における早期のワクチン有効性(VE)の推定によれば、二価ワクチンブースター接種者では一価ワクチンのみ接種者に比較してCOVID-19関連の救急科受診、急病診療所受診、入院が予防されることが示されている。今回、VISIONネットワークにより、2022年9月13日~2023年4月21日、7州5地区にて18歳以上成人を対象に二価ワクチン接種からの経過時間別にCOVID-19関連入院に対するVEを免疫状態不全の有無により評価した。この期間、COVID-19様疾患にて入院した18歳以上の成人のうち、入院前14日以内または入院後72時間以内にSARS-CoV-2検査(リアルタイムRT-PCR法など)を受けた免疫不全のない66,141例のうち、検査陽性であった6,907例(10.4%)を症例群、陰性であった59,234例(89.6%)を対照群とした。患者の年齢中央値は症例群が76歳、対照群が71歳、ワクチン未接種率はそれぞれ25.9%(1,791例)、23.2%(13,723例)であり、二価ワクチン接種率はそれぞれ16.3%、20.6%であった。COVID-19関連入院に対するVEは各年齢層で同様であったが、二価ワクチン接種後から経時的に低下し、全体で接種後7~59日では62%(18~64歳:61%、65歳以上:64%)、60~119日では47%(同:25%、51%)、120~179日では24%であった(同:16%、27%)。一価ワクチンのみの接種者における全体のVEは最終接種後中央値376日にて21%であった。重症化に対するVEは二価ワクチン接種後7~59日にて69%、60~119日にて46%、120~179日では50%であり、入院に対するVEよりも持続性があった。免疫不全状態のある18,934例では、症例群が1,834例(9.7%)、対照群が17,100例(90.3%)であり、年齢中央値はそれぞれ73歳、70歳、ワクチン未接種率はそれぞれ17.1%、16.3%であり、二価ワクチン接種率はそれぞれ21.0%、25.1%であった。COVID-19関連入院に対するVEは二価ワクチン接種後7~59日にて28%、60~119日にて41%であったが、120~179日では13%に低下した。一価ワクチンのみ接種者におけるVEは最終接種後中央値355日にて3%であった。重症化に対するVEは、二価ワクチン接種後7~59日にて40%、60~119日にて43%、120~179日では53%であった。これらのデータは、特定のハイリスク集団に対する追加の二価COVID-19ワクチン接種の推奨を支持するものであり、すべての接種対象者は推奨されるワクチン接種を最新の状態とすべきである。
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