ホームIMICライブラリMMWR抄訳2022年(Vol.71)サル痘アウトブレイクの疫学的特徴と公衆衛生上の対応・・・
2022/11/11Vol. 71 / No. 45
MMWR71(45):1449-1456
Epidemiologic Features of the Monkeypox Outbreak and the Public Health Response — United States, May 17–October 6, 2022
2022年5月17日、マサチューセッツ州保健局は、世界的なアウトブレイクに関連したサル痘のアメリカ居住者における最初の疑い例について発表した。2022年5月23日、CDCは緊急対応を開始し、サーベイランス、検査、医学的対策、教育に重点を置いた。医学的対策には、国家的なJYNNEOSワクチン接種戦略の導入、FDAによるJYNNEOSの皮内接種を許可する緊急使用許可の発行、重症のサル痘患者または重症化リスクのある患者へのtecovirimatの使用が含まれた。2022年5月17日~10月6日、アメリカではサル痘の高度疑い例/確定診断症例が計26,384例、CDCに報告され、毎日の症例数は8月中旬から下旬にかけてピークに達した。人口統計データが利用可能なサル痘患者25,678例(97%)の年齢中央値は34歳(0~89歳)であった。人種/民族に関する情報がある21,211例のうち、6,879例(32%)が非ヒスパニック系黒人/アフリカ系アメリカ人(黒人)、6,628例(31%)がヒスパニック系/ラテン系(ヒスパニック系)、6,330例(30%)が非ヒスパニック系の白人(白人)であった。性自認に関する情報がある18歳以上の成人(18歳以上)25,001例のうち、23,683例(95%)がシスジェンダー男性であった。最近の性的接触または密接で親密な接触に関する情報があるシスジェンダー男性13,997例のうち、10,440例(75%)に症状発症前21日間以内に男性間性的接触があった。HIV感染の有無に関する情報がある成人5,017例のうち、2,876例(57%)がHIVに感染していた。入院に関する情報は11,204例で報告され、1,870例(17%)が入院し、6例が死亡した。天然痘またはサル痘の予防接種状況に関する情報は9,197例にあり、2,882例(31%)がワクチンを接種していた。その中でワクチン接種日が明らかな1,676例(58%)のうち、1,670例(99.6%)が2022年のアウトブレイク中(5月17日以降)に接種していた。アウトブレイク中にワクチン接種し、人種/民族が明らかな1,626例(97%)のうち、38%が白人、32%が黒人、23%がヒスパニック系であった。ワクチン接種日と発症日のデータは1,317例で利用可能であり、そのうち625例(48%)は症状発症後、692例(52%)は症状発現前にワクチンを接種していた。ワクチン接種を含む予防の取り組みは、ゲイ、バイセクシュアル、男性同性間性的接触者、トランスジェンダー、ノンバイナリー、性別多様性の人、人種/民族マイノリティ集団、進行期HIV感染症または新規診断HIV感染症の人を含む免疫不全者など、サル痘アウトブレイクによる影響を最も受ける集団内で、最もリスクが高い人に優先される必要がある。
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