ホームIMICライブラリMMWR抄訳2022年(Vol.71)大規模な地域ベースのLGBTQIA+イベントにおけ・・・
2022/10/28Vol. 71 / No. 43
MMWR71(43):1382-1383
A Health Equity Approach for Implementation of JYNNEOS Vaccination at Large, Community-Based LGBTQIA+ Events — Georgia, August 27–September 5, 2022
ゲイ、バイセクシュアル、男性同性間性的接触者(MSM)は、2022年のアメリカでのサル痘アウトブレイク中に偏った影響を受けており、人口統計学的グループでは、黒人/アフリカ系アメリカ人(黒人)のMSMが最も影響を受けた。2022年9月28日時点で、ジョージア州ではサル痘症例が1,784例報告され、98%が男性、77%が黒人であった。2022年9月13日時点で報告症例の60%がHIV感染者であり、サル痘感染者の50%が過去1年以内に性感染症に罹患していた。ジョージア州では、サル痘症例の発生率の人種格差と症例の大部分がMSMであるため、7月に開始された早期ワクチン接種は、HIV感染者を含む深刻な影響を受ける人にサービスを提供する地域ベースの団体との新規および既存のものを活用するパートナーシップの確立により、アクセスを公平に改善することに焦点を当てた。これらの取り組みにもかかわらず、需要が高く、ワクチン供給が限られていたため、格差は持続した。ジョージア州公衆衛生局(DPH)は、CDCにvaccine pilotの支援を要請し、アトランタでレイバーデーの週末(2022年9月2~5日)に行われる複数日イベントであるBlack gay Pride Festivalの開催前および開催中に接種するために、JYNNEOSワクチン5,500回分の追加割り当てを受けた。このフェスティバルは、有色人種のレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クィア/クエスチョニング、インターセックス、アセクシュアル、その他の人(LGBTQIA+)のコミュニティを祝うもので、毎年125,000人以上の参加者を受け入れている。フェスティバル前(8月24日時点)では、ジョージア州では17,546名がワクチンを接種し、そのうち96%が男性、34%が25~36歳、44%が黒人、8%がヒスパニック系またはラテン系(ヒスパニック系)であった。8月27日~9月5日に、合計4,282回のJYNNEOSワクチンが接種され、3分の2(2,874回)はフェスティバル前、3分の1(1,408回)がフェスティバル中に接種された。全体で2,886回(67%)が保健部門のクリニックにおける22回の定期ワクチン接種イベント、702回(16%)が20の移動型の地域のポップアップイベント、694回(16%)が定点(ジョージア州DPH後援の集団ワクチン接種イベント)にて接種された。ワクチン接種者の93%が男性、55%が30~49歳、48%が黒人、8%がヒスパニック系であった。ワクチンを接種した黒人の割合はフェスティバル前(46.0%)よりもフェスティバル中(53.1%)にて多かったが、ヒスパニック系接種者の割合(7.8% vs. 7.4%)は同程度であった。接種記録のほぼ3分の1(31%)で、居住州に関するデータが欠落していた。サル痘のアウトブレイクにより偏った影響を受けた地域でワクチン接種することは、サル痘ウイルスの蔓延を阻止し、アウトブレイクを終結させる上で重要である。フェスティバルの主催者、政府機関、LGBTQIA+コミュニティ支持者の合同によるコミュニティベースのアプローチは、サル痘ワクチン接種の公平さの改善に成功した。
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