ホームIMICライブラリMMWR抄訳2022年(Vol.71)複数日にわたる大規模なLGBTQIA+フェスティバ・・・
2022/10/28Vol. 71 / No. 43
MMWR71(43):1379-1381
Characteristics of JYNNEOS Vaccine Recipients Before and During a Large Multiday LGBTQIA+ Festival — Louisiana, August 9–September 5, 2022
2022年5月以降、アメリカではサル痘症例27,558例が確認されている。ゲイ、バイセクシュアル、男性同性間性的接触者は、現在の多国間アウトブレイクにおいて、最も影響を受ける人口統計グループとなっている。2022年10月18日時点で、ルイジアナ州では273例のサル痘症例が報告され、187例(68.5%)はニューオーリンズ市を含むルイジアナ州保健局(LDH)の南東部地域の住民であった。Southern Decadenceは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クィア/クエスチョニング、インターセックス、アセクシュアル、その他の人(LGBTQIA+)に応じたニューオーリンズにて年1回開催される複数日のフェスティバルで、毎年15万~30万人の参加者を魅了する。2022年のフェスティバル(9月1日~5日)への備えとして、LDHは、サル痘予防のJYNNEOSワクチンの州全体でのイベント前接種を含む準備計画のために、CDCの協力を要請した。CDCは、JYNNEOSワクチンについて、州のフェーズ3割り当ての4,400回分に加え、連邦のmonkeypox large event vaccine pilotを介して、1,500バイアル(6,000回以下の皮内接種分)の入手を支援した。Southern Decadenceに先立ち、接種対象となるルイジアナ州住民におけるワクチン接種を増加させるための州の予防戦略の一環として、LDHは地域ワクチン接種イベントシリーズを主催し、これらのイベントはフェスティバル前と期間中(2022年8月9日~9月5日)に州全体で開催された。Southern Decadence中も地域のワクチン接種の取り組みは継続され、フェスティバルのメインエリアから3ブロック離れた中央会場(ヘルスハブ)で毎日開催された。2022年8月9日~9月5日、ルイジアナ州では合計6,854回のJYNNEOSワクチンが接種され、53.0%が診療所、34.8%がヘルスケア拠点ではない地域のワクチン接種イベント、12.2%がヘルスケア拠点にて接種された。ヘルスケア拠点以外でワクチンを接種した人の90.1%がルイジアナ州住民で、非ヒスパニック系白人(白人)54%、非ヒスパニック系黒人/アフリカ系アメリカ人(黒人)が24.0%、ヒスパニック系/ラテン系(ヒスパニック系)が6.7%であった。ヘルスケア拠点でのワクチン接種者のうち、ルイジアナ州住民は45.5%、白人、黒人、ヒスパニック系は、それぞれ52.3%、13.9%、10.3%であった。ヘルスケア拠点でのワクチン接種者の26.0%を、カリフォルニア州、フロリダ州、ニューヨーク州、テキサス州の住民が占めていた。サル痘ウイルスの蔓延を阻止するために、アウトブレイクによる影響を偏って受けているコミュニティでのワクチンの公平性を達成することが重要である。コミュニティベースのサル痘ワクチン接種イベントは、批判とスティグマを最小限にしながら、ワクチン接種にアクセス可能で安全な場所を提供できる。これらのデータから、コミュニティの関与、対象を定めたメッセージ、コミュニティのワクチン接種イベントの人種/民族マイノリティーに対応する会場の選択は、ワクチンの公平性を改善し、健康格差を減らす可能性があることが示されている。
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