ホームIMICライブラリMMWR抄訳2022年(Vol.71)COVID-19自己検査データ:課題と機会 ― ア・・・
2022/08/12Vol. 71 / No. 32
MMWR71(32):1005-1010
COVID-19 Self-Test Data: Challenges and Opportunities — United States, October 31, 2021–June 11, 2022
COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2の現在の感染を検出する自己検査は、個人の意思決定やリスク低減の指針となる貴重なツールである。検査機関や医療従事者が行う診療現場でのCOVID-19検査結果とは異なり、公衆衛生局への自己検査結果の報告が義務付けられていないため、自己検査の利用増加によりCOVID-19症例の把握が不十分になると思われる。自己検査キットの説明書には、必要であれば追加の検査および治療が受けられるよう、利用者が医療従事者に結果を報告することが推奨されている。さらに、自己検査キットの複数の製造業者にて、利用者が自己検査結果を自発的に報告できるウェブサイトやモバイルアプリを開発している。今回、CDCは4つの製造業者の自己検査キットの利用者から2021年10月31日~2022年6月11日に自発的に報告されたデータを要約し、COOVID-19 Electronic Laboratory Reporting(CELR)データシステムを通じて報告された検査機関および診療現場にて行われた検査データ[核酸増幅検査(NAAT)、抗原検査]と比較した。2021年10月~2022年5月、製造業者4社は3億9,340万の自己検査キットを製造し、そのうちアメリカ向けに製造された検査キットは15.3%であった。2021年10月31日~2022年6月11日、製造業者4社のウェブサイトまたはモバイルアプリを通じて10,673,837件の自己検査結果が報告されたのに対し、CELRシステムを通じて276,257,710件のNAAT、85,670,213件の抗原検査の検査結果が報告された。いずれの検査も検査数のピークは2022年1月8日で終わる週であり、2021年11月6日で終わる週から2022年4月23日で終わる週にかけてのNAAT検査報告数は、自己検査報告数の14~1,947倍であった。同期間中の検査陽性率は、NAATおよび自己検査は2022年1月8日で終わる週、抗原検査は2022年1月1日で終わる週にもっとも高かった(それぞれ29.1%、17.3%、19.8%)。また、人口統計情報に関する報告の完全性は自己検査報告よりも検査機関や診療現場で行われた報告にて高く、2022年5月25日~6月3日の自己検査結果報告では、氏名、住所、電話番号、電子メールアドレスの完全性はそれぞれ24.8%、9.8%、17.2%、26.6%であった。COVID-19自己検査から報告されるデータの量および質は限られており、現時点にて既存のサーベイランスを強化する能力は低いが、自己検査はリスクを減らす重要な情報を利用者にもたらし、自己検査のデータを収集し、分析するインフラおよび方法の構築の継続により、公衆衛生緊急事態時のサーベイランスとしての使用を改善することができる。COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2の現在の感染を検出する自己検査は、個人の意思決定やリスク低減の指針となる貴重なツールである。検査機関や医療従事者が行う診療現場でのCOVID-19検査結果とは異なり、公衆衛生局への自己検査結果の報告が義務付けられていないため、自己検査の利用増加によりCOVID-19症例の把握が不十分になると思われる。自己検査キットの説明書には、必要であれば追加の検査および治療が受けられるよう、利用者が医療従事者に結果を報告することが推奨されている。さらに、自己検査キットの複数の製造業者にて、利用者が自己検査結果を自発的に報告できるウェブサイトやモバイルアプリを開発している。今回、CDCは4つの製造業者の自己検査キットの利用者から2021年10月31日~2022年6月11日に自発的に報告されたデータを要約し、COOVID-19 Electronic Laboratory Reporting(CELR)データシステムを通じて報告された検査機関および診療現場にて行われた検査データ[核酸増幅検査(NAAT)、抗原検査]と比較した。2021年10月~2022年5月、製造業者4社は3億9,340万の自己検査キットを製造し、そのうちアメリカ向けに製造された検査キットは15.3%であった。2021年10月31日~2022年6月11日、製造業者4社のウェブサイトまたはモバイルアプリを通じて10,673,837件の自己検査結果が報告されたのに対し、CELRシステムを通じて276,257,710件のNAAT、85,670,213件の抗原検査の検査結果が報告された。いずれの検査も検査数のピークは2022年1月8日で終わる週であり、2021年11月6日で終わる週から2022年4月23日で終わる週にかけてのNAAT検査報告数は、自己検査報告数の14~1,947倍であった。同期間中の検査陽性率は、NAATおよび自己検査は2022年1月8日で終わる週、抗原検査は2022年1月1日で終わる週にもっとも高かった(それぞれ29.1%、17.3%、19.8%)。また、人口統計情報に関する報告の完全性は自己検査報告よりも検査機関や診療現場で行われた報告にて高く、2022年5月25日~6月3日の自己検査結果報告では、氏名、住所、電話番号、電子メールアドレスの完全性はそれぞれ24.8%、9.8%、17.2%、26.6%であった。COVID-19自己検査から報告されるデータの量および質は限られており、現時点にて既存のサーベイランスを強化する能力は低いが、自己検査はリスクを減らす重要な情報を利用者にもたらし、自己検査のデータを収集し、分析するインフラおよび方法の構築の継続により、公衆衛生緊急事態時のサーベイランスとしての使用を改善することができる。
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